看護部の教育・研修体制

教育・研修体制

1看護部現任教育の考え方

看護部では、進化する福岡東医療センターの概況に対応するため、変化に対応できる誠実で誰からも信頼される「福岡東ACTyナース」を育成し、質の高い看護の提供を目指しています。

国立病院機構が示す「看護職員能力開発プログラム~ACTyナース~ver.2」に基づき、全看護師対象の集合研修や各看護単位で行うOJTとが連動する教育プログラムを作成し、看護職員の教育を行っています。一人一人のキャリアを大切に育てるプログラムです。

福岡東 ACTyナースとは

患者・家族、地域住民に信頼される知識・技術をもった誠実な看護師であり、医療チームの一員として看護職の役割が果たせる看護師です。
また、一人の人間としても感性豊かな看護師であり、「花を育てる心」をもって看護を提供します。

花を育てる心とは

「花を育てる心」は、旧福岡東病院付属看護学校の教育理念です。花を育てるには、必要な知識・技術はもとより、根気よく手をかけ、優しく見守ること、痛みを感じる心が大切です。当院の「看護の心」として継承したいと考えています。

看護職員能力開発体系図

看護職員能力開発体系図
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新人看護師教育について

新人看護師の一年間は、病院のこと、病棟のこと、疾患のことなど、覚えることがたくさんあります。そこで、各部署の特徴をふまえ必要な知識・技術や事前学習や復習に役立つ資料集約した「ひよこファイル」を作成し、新人看護師全員に1冊ずつ配布しています。学習したことを積み重ね、日々先輩看護師から支援を受けています。

各病棟では、新人看護師をスタッフ全員で支援しています。

2教育目的

福岡東医療センターで働く看護師一人一人が専門職業人として自覚を持ち、当院が担う医療を推進しうる看護実践能力を高め、看護の質的向上を図る。

3教育目標

  1. 看護の専門的知識・技術・態度を習得し、さらに当院の果たすべき役割を理解し、臨床実践能力を向上させる
  2. 専門職業人としての自覚と責任を持ち、主体的、継続的に学習していくことができる
  3. 医療チームの一員としての自覚を持ち、多職種と協働して看護の役割を発揮する

4研修プログラムとねらい

1. キャリアラダー

福岡東医療センターでは、国立病院機構 能力開発プログラム 「ACTy Ver.2」 に則り、キャリアラダーを導入している。
キャリアラダーは、ラダー・レベルⅠ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ、Ⅴ前期、Ⅴ後期の6段階で構成している。

1ラダー・レベルⅠ研修

職場への早期適応と看護実践者としての基本的能力を習得することをねらいとする。

2ラダー・レベルⅡ研修

看護実践者としての基本的能力を基盤にして、対象の状況に応じ実践できる能力を養うことをねらいとする。

3ラダー・レベルⅢ研修

看護実践者として個別性を重視して看護の提供ができるとともに、小集団(病棟)の中でリーダーシップを発揮できることをねらいとする。

4ラダー・レベルⅣ研修

委員会やサポーター活動を通して、自部署の問題を見極める能力を身につけ、問題解決への役割行動がとれることをねらいとする。

5ラダー・レベルⅤ前期研修

キャリアデザインについて考えるとともに、専門性を発揮し、管理・教育的役割モデルとなること、課題について研究的に取り組むことをねらいとする。

幹部看護師任用候補者研修を含む

6ラダー・レベルⅤ後期研修

専門性を発揮し、管理・教育的役割モデルとなること、課題について研究的に取り組むことをねらいとする。

2. 看護の専門性を高めるためのスキルアップ研修

ラダー・レベルⅤ以降は、スペシャリスト・看護管理者・看護教育者・ジェネラリストを目指した、看護の専門性を高めるためのキャリア支援が行われている。

3. 役割に応じた研修

業務技術員研修

業務技術員の業務に必要な知識・技術を得て、実践に活かせることをねらいとする。

4. その他

委員会主催の研修

看護の質の向上およびプライマリーナースとしての実践能力向上を目指し、各委員会が中心となって主催する研修が、年に数回実施されている。

全職員参加の研修

医療安全確保及び院内感染対策等に関して、看護部を問わず全職員の知識向上と技術習得を目指して実施されている。

部署別研修

それぞれの所属する部署で、担当診療科や看護に関する専門性を高めることをねらいとする。

エキスパートナース研修等

NHOが担う多くの医療分野において、EBMに基づいた正確で丁寧な看護実践能力を備えた看護師になることをねらいとし、各基幹病院や機構本部、グループなどで行われる。

スペシャリスト紹介

がん専門看護師

がん治療を受ける中で、患者さんご家族は、治療や副作用のこと、症状の緩和について、お家での生活のこと、治療に関連した意志決定の場面など、さまざまな不安や悩みと直面することがあると思います。

がん看護専門看護師は、そのような時に、ご相談を受ける役割があります。

また、医師や看護師、多職種とも連携し、患者さんご家族を支援します。外来で勤務していますので、お気軽にお声をおかけください。

診療看護師(JNP)

感染管理認定看護師

患者さまを感染から守ること、医療従事者と地域住民を感染から守ることを目標にしています。

自施設の状況に応じた感染防止対策が実践できるよう、様々な職種と連携し組織横断的な活動を行っています。

緩和ケア認定看護師

緩和ケアチームの一員として、専門的な視点で、患者さまの身体の辛い症状緩和や心のケアを支援しています。

患者さまやご家族の希望や自分らしく生きていきたいという気持ちを大事に、多職種と協働し、共に学びながら活動しています。

がん化学療法認定看護師

治療を受ける患者さま・ご家族が安心して治療を受け、苦痛が少なく生活できるように副作用対策やセルフケア支援を行っています。

また、がん薬物療法看護の質向上を目指し、病棟看護師の支援を行っています。

皮膚排泄ケア認定看護師

瘻孔・褥瘡などの創傷、ストーマ、失禁による皮膚障害など、排泄物や物理的刺激によって障害を起こしやすい皮膚の専門的ケアを行っています。

患者さまが皮膚トラブルで日常生活を制限されることなく、退院後も安心して暮らせるよう継続的支援を行っています。

脳卒中リハビリテーション看護認定看護師

脳疾患の病態はとても複雑であり、知識だけではとても理解できないことを教育課程で学んできました。

疾患のみにとらわれず、身体面・心身面から生活背景・家族背景を含め、その人全体をトータルに目を向けていく看護を心掛けたいと思います。

また、急性期から患者さんの問題ばかりに目を向けるのではなく、いいところや出来ているところを伸ばすことが出来るような看護を提供できるよう援助していきたいと思っています。

摂食嚥下障害看護認定看護師

様々な理由で食事を続けることが難しくなった患者様へ、過度に誤嚥を恐れて食事を中止するのではなく、安全に食べることの可能性を最後まで追求していきます。

当院では、栄養サポートチームと協働し、低栄養や脱水、誤嚥性肺炎や窒息などの二次的障害の予防を行っています。

「食べたい」という思いに寄り添い、一人でも多くの患者様の食べる楽しみを取り戻すことができるよう、少しでもお役に立てれば嬉しく思います。

がん放射線療法看護認定看護師

放射線療法は、手術療法・化学療法とともにがん治療を支える3本柱のひとつです。局所療法であり、体への負担も少なく、高齢の方にも優しい治療です。

それぞれの治療の特徴を踏まえ、有害事象を予測し、患者様と一緒に予防的ケアや症状出現時の対処法を考えながら、治療を完遂できるよう支援していきます。

主治医、治療医、放射線技師、看護師が連携をとり、患者様が安心して治療を受けられるようサポートいたします。

慢性心不全看護認定看護師

慢性心不全は、心臓の機能が低下して、増悪と改善を繰り返し徐々に進行していきます。

多職種と協力しながら、入院時から退院後の生活まで見通し、患者さまの望む療養生活が送れるよう一緒に考えて支援していきます。

日本重症心身障害福祉協会認定 重症心身障害看護師

重症心身障害(者)及び家族に対し、専門性・個別性の高い看護を実践することを目的に、多職種と協力し活動をしています。

特定看護師

特定行為看護師として、医学・看護両方の視点を持ってチーム医療の充実を図り、入院患者さんの異常の早期発見と早期介入を行い、一日でも早い病状の回復のために尽力していきたいと思います。

特定行為とは、今まで医師が行っていた行為を「手順書」という包括的指示のもと、実践的な思考力と判断力、高度な知識と技術をもって研修を修了した看護師が実践を行う行為のことです。

出前講座のご案内

当院の認定看護師が、地域の医療機関の皆さまに向けて勉強会を実施しています。ご希望の方は、FAXにてお申し込みください。

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