放射線画像診断部

部門紹介

放射線画像診断部では、患者さんに寄り添い、安心安全で質の高い医療を提供します。

当部門は、様々な診療科と連携を行い検査及び治療を行っています。CT、MRI等で撮影された画像は、画像診断医が読影し各診療科の先生方へ報告され、病気の診断、治療方針の決定に役立てられています。日々、高度化する医療ニーズに対応すべく、関連学会へ参加、定期的な部門研修会を開催し最新技術の取得及び知識習得に努めています。

主な業務・取り組み

法令に遵守した放射線安全教育の実施、線量測定及び被ばく低減に向けた線量管理を実施しています。

救急医療に対応するため24時間体制で迅速に画像提供が行える体制を確保しています。

検査実績

2022年度

CT:18,749件、MRI:5,929件、血管造影:1005件、RI検査:832件

装置一覧

一般撮影装置(5台)、歯科撮影装置(2台)、CT装置(3台)、MRI装置(2台)、血管造影装置(2台)、透視装置(2台)、骨密度測定装置(1台)、RI装置(1台)、放射線治療装置(1台)、ポータブル撮影装置(6台)、外科用イメージ(4台)

資格取得情報

診療放射線技師:20名、診療放射線技師助手:2名

第1種放射線取扱主任者 5名
第1種作業環境測定士 4名
第1種衛生管理者 2名
衛生工学衛生管理者 2名
X線作業主任者 1名
ガンマ線透過写真撮影作業主任者 1名
X線CT認定技師 3名
放射線治療専門放射線技師 1名
放射線治療品質管理士 1名
検診マンモグラフィ撮影認定技師 4名
IVRインターベンション専門技師 1名
医療画像情報精度管理士 1名
放射線管理士 1名
放射線機器管理士 2名
臨床実習指導教員 1名

主な検査・検査室について

以下の検査室名をクリックすると詳細情報を開きます。

一般撮影室(X線撮影)

X線撮影検査とは

検査で利用するX線は、1895年ドイツのレントゲン博士によって発見されました。

X線撮影は、X線を目的の物質に照射し、透過したX線を写真フイルム・IP(イメージングプレート)・FPD(フラットパネルディテクタ)などの検出器で可視化することで、内部の様子を知る画像検査法です。

X線装置について

当院のX線撮影室は4室あります。全ての撮影室にFPD(フラットパネルディテクタ)を有する装置を設備しており、高画質、低線量化、検査時間の短縮といった利点を有しています。

FPD CALNEO (富士フイルム社製)

FPD CALNEO (富士フイルム社製)

RAD speed safire (島津社製)

RAD speed safire (島津社製)

X線画像

FPDを使用することで従来に比べて骨の詳細がわかるようになりました。

FPD CALNEO (富士フイルム社製)

胸部画像

RAD speed safire (島津社製)

腰椎側面画像

検査について

検査時の注意事項

  • ボタン、金具、刺繍、プリント入りの衣服、シップ、エレキバン等の異物が写っていると診断に支障を来たす可能性がありますので、外していただいております。
  • 撮影する時は、撮影の部位によって息を止めたりする事があります。
  • 妊娠されている方、またはその可能性がある方は、あらかじめお申し出て下さい。
  • 検査内容によっては順番が前後する場合があります。

被ばくについて

放射線の量を示す単位にはGy(グレイ)やSv(シーベルト)がありますが、放射線の身体への影響を考える場合にはSvが用いられます。世界の平均自然放射線量は1年間に約2.4mSvといわれています。

医療での検査による被ばく線量は撮影する装置によって違いますが、下表は当院の部位別の被ばく線量です。

撮影部位による被ばく線量一覧表
撮影部位 Sdec算出による
入射表面線量(mGy)
DRLs2020
診断参考レベル(mGy)
頭部 正面 0.8 2.5
頚椎 正面 0.4 0.8
胸椎 正面 1.3 3.0
胸椎 側面 3.3 5.0
胸部 正面 (PA) 0.3 0.3
胸部 臥位 0.5 0.3
腹部 正面 (立位) 1.9 2.5
腹部 正面 (臥位) 1 2.5
腰椎 正面 1.7 3.5
腰椎 側面 5.2 9.0
骨盤 正面 1.7 2.5
0歳胸部正面 0.1 0.2
5歳胸部正面 0.1 0.2

※ Sdec:診断用X線領域における入射表面線量計算ソフト

当院で胸部X線撮影の被ばく線量0.3mGyは、日本診療放射線技師会の低減目標値と同じで、平均自然放射線量の約1/8であり、極めて少ない線量で、身体への影響は心配いりません。

マンモグラフィー室(乳房X線撮影装置)

マンモグラフィー(MMG)検査とは

乳房のX線撮影です。乳房全体の形態を把握でき、微細な石灰化の検出に優れています。

乳房を圧迫することで乳腺を押し広げ、病変を見やすくします。乳がんをはじめ、しこりや、石灰化を伴う病変などを見つける事ができます。マンモグラフィーは乳がんの早期発見にとても有効な検査で、早期治療を行うことにより、治癒率も高まります。

当院では富士フイルム社製の乳房X線撮影装置「AMULET Innovality (FDR MS-3500)」を使用しております。

また当院は福岡県の乳がん検診・精密検査実施機関に登録されております。

(画像評価認定は2023年8月更新)

AMULET社製 Innovality
(FDR MS-3500)

マンモグラフィー検査の流れ

乳房撮影検査を受ける方へ (動画)

  • 両側乳房の2方向(MLOとCC)の撮影を行います。
  • 詳しい情報を追加するため、追加撮影を行なうこともあります。
  • 検査時間は、着替えから撮影・画像の確認まで15分程度です。

※がん検診時は1方向(MLO)の撮影のみの場合もあります。

※各市区町村で行われている乳がん検診は、対象年齢や費用などさまざまです。
またがん検診推進事業では、年度ごとに対象者を決めて無料クーポンを配布しています。
配布内容については、各市区町村で異なります。詳しくは、お住まいの市区町村へお問い合わせください。

乳房X線写真と体位の紹介

MLO (内外斜位方向)像を示します(図1)。MLO撮影は乳房支持台面を胸筋に平行とし、乳腺を支持台と圧迫板で固定することで、全体を最も広く抽出できます(図2)。

図1 MLO

図2 MLO撮影体位

CC(頭尾方向)像を示します(図3)。CC撮影はMLO撮影を補完するもので、内側を主に撮影します(図4)。

図3 CC

図4 CC撮影体位

検査時の注意事項

  • 髪が写りこむことがあるため、長い方はゴムを用意しておりますので、後ろで束ねて下さい。
  • ネックレス・ピアス・イヤリング等のアクセサリーは外して下さい。
  • 制汗剤の検査前の使用はご遠慮ください。制汗剤には、写真に写る粒子が含まれている場合があります。がんのサインである石灰化に非常に類似して写る場合がありますので、使用されている方は、シートを用意しておりますので担当者にお知らせ下さい。
  • 心臓にペースメーカーを使用されている方、豊胸術を受けられている方、妊娠の可能性のある方、授乳中の方などは検査ができない場合もありますので必ず事前にご相談ください。
歯科撮影室

パノラマ断層X線撮影(パノラマ)

パノラマ撮影について

パノラマX線画像は一枚の写真で歯や骨、顎関節の異常、親知らずの有無および埋もれ具合、上顎洞の状態など多くの情報を得ることができます。治療開始前の口腔内全体の状態を把握したい場合や、親知らずおよび過剰歯といった顎の奥の方に埋まっている歯など、デンタル撮影では撮影できない所の撮影を行います。

パノラマ画像

吉田社製 パノーラ19 XP64

歯科用X線撮影(デンタル)

デンタル撮影について

デンタルX線画像は、パノラマX線画像と比較すると歯の詳細な状態を観察することができ、特定の歯に対して虫歯や骨の状態、治療中の歯の経過を観察できます。パノラマ撮影で全体的な歯の診断を行うのに対し、歯についてより詳細な情報が必要な場合にデンタル撮影を行います。

デントナビ XD33 (吉田社製)

デンタル画像

被ばくについて

放射線の量を示す単位にはGy(グレイ)やSv(シーベルト)がありますが、放射線の身体への影響を考える場合にはSvが用いられます。世界の平均自然放射線量は1年間に約2.4mSvといわれています。

医療での検査による被ばく線量は撮影する装置によって違いますが、下表は当院の部位別の被ばく線量です。

撮影部位による被ばく線量一覧表
部位 管電圧
(kv)
管電流
(mA)
時間
(sec)
線量
(mGy)
DRLs2020
診断参考レベル
(mGy)
成人 上顎前歯部 70 7 0.12 0.75 1.1
上顎犬歯部 70 7 0.16 1.00 1.3
上顎臼歯部 70 7 0.2 1.26 2.0
下顎前歯部 70 7 0.1 0.62 1.0
下顎犬歯部 70 7 0.12 0.75 1.1
下顎臼歯部 70 7 0.16 1.00 1.5
CT室(コンピュータ断層撮影装置:Computed Tomography)

CT検査とは

X線を利用して体の断面像を得る検査です。さらに、この断面像をコンピュータで処理することにより、様々な方向からの画像や3次元画像(3D画像)を得ることができます。

CT装置について

当院では80列マルチスライスCT1台と64列マルチスライスCT2台の計3台が稼働しており、頭部、頚部、胸部、腹部、四肢(関節)、血管など全身の様々な検査に対応しています。

外来CT

Canon社製 Aquilion PRIME SP

Canon社製 Aquilion PRIME SP

治療部CT

GE社製 Optima 660

GE社製 Optima 660

救命救急センターCT

Canon社製 Aquilion CXL

Canon社製 Aquilion CXL

救急搬送されてきた方など、急いで検査・診断を行う必要のある方の撮影を行っています。

検査について

検査は予約制となっており、予約の順番通りご案内いたします。
ただし、検査内容および進行状況により、多少時間や順番が前後しますのでご了承下さい。

検査の流れについて(動画)

単純CT検査

造影剤を使用しないCT検査のことです。脳内出血、組織の浮腫、骨の形態異常、肺の形態などは、造影剤を用いなくても観察できます。

検査時間は、5~10分程度です。


頭部画像

胸部画像

骨3D画像

造影CT検査

腕の静脈から注射をして造影剤を体内に注入して行うCT検査のことです。

造影剤を使用することにより、病巣や血管がわかりやすくなり、より正確な診断が可能になります。体が熱く感じることがありますが、すぐに消失しますので、ご心配はいりません。

検査時間は、おおよそ10分~20分程度です。


腹部画像

冠動脈3D画像

肺血管3D画像

検査時の注意事項

検査部位に下記のものがないか確認し、該当する場合は取り外して頂きます。

  • 貴金属(ネックレス、ピアスなど)
  • メガネ、補聴器、入れ歯
  • 金属の入った下着(ブラジャーなど)
  • ズボンやスカートのファスナー
  • 湿布、カイロ、エレキバン

以下の方は造影検査を出来ないことがありますので、事前にお申し出下さい。

  • 喘息(既往)のある方
  • 本人又は両親、兄弟に発疹、蕁麻疹等のアレルギーを起こしやすい体質の方
  • 過去に造影剤を使用して気分が悪くなった、じんましん等がでたことがある方
  • 授乳中の方
  • 腎機能の悪い方や血液透析を行っている方
  • 造影剤を使用する検査では、『同意書』が必要です。検査申込時に主治医などに造影検査について説明を受けて、同意できたら署名をお願いします。
  • 造影剤の副作用にはかゆみ、発疹、吐き気などがあります。検査中は検査室のスタッフとマイクを通して会話が出来ますので気分不快などの異常を感じた場合は、そのままの状態で話しかけてください。
  • 造影検査後、造影剤は尿と一緒に排泄されます。検査後は水分(お茶、水等)を多めにとって排尿を促してください。ただし、医師より水分摂取の制限がある場合は除きます。
  • ごくまれに造影剤の副作用として数時間~数日の間に発疹や頭痛、吐き気などがみられることがあります。そのような症状が現れた場合には、検査指示を受けた診療科外来に遠慮なくご連絡下さい。時間外の時は救急外来にご連絡下さい。
  • 検査着を用意しておりますので、着ている衣服によっては着替えていただくことがあります。検査当日は、脱着しやすい服装でお越しください。

被ばくについて

放射線の量を示す単位にはGy ( グレイ )やSv ( シーベルト )がありますが、放射線の身体への影響を考える場合にはSvが用いられます。世界の平均自然放射線量は1年間に約2.4mSvといわれています。

医療での検査による被ばく線量は撮影する装置によって違いますが、下表は当院の部位別の被ばく線量です。

撮影部位による被ばく線量一覧表
部位 CTDIvol
(mGy)
DLP
(mGy*cm)
Effective Dose103
(mSv)
DRLs2020 外来CT DRLs2020 外来CT 外来CT
成人 成人 成人
頭部 77 67 1350 1436 3.0
胸部 13 6.7 510 291 4.1
胸部~骨盤 16 7.4 1200 535 7.8
上腹部~骨盤 18 7.7 880 408 6.1
肝臓ダイナミック 17 7.2 2100 739 11.1
冠動脈 66 46 1300 813 11.5
MRI室(磁気共鳴画像装置:Magnetic Resonance Imaging)

MRI検査とは

強力な磁場と微弱な電磁波を用いて、人体内部の画像を得る検査です。X線撮影やCT検査のようにX線(放射線)を使用しないため被ばくの心配はありません。

当院では2台のMRI装置があり、ともに頭部、頚部、胸部、腹部、脊椎・脊髄、四肢(関節)、血管を対象に全身の検査を行っています。


フィリップス社製 Ingenia 1.5テスラ

フィリップス社製 Ingenia 1.5テスラ Evolution

検査について

検査は予約制となっており、予約の順番通りご案内いたします。ただし、検査内容および進行状況により、多少時間や順番が前後しますのでご了承下さい。

  • 基本的に全ての検査に対して検査着に着替えて検査を行います。
  • 検査時間は検査部位や内容により異なりますが、およそ30~60分くらいです。
  • 検査中はハンマーで叩くような大きい音がしますので、ヘッドホンをつけていただきます。
  • 体の動きに弱い検査のため、検査中は動かないように固定します。
  • 検査部位によっては呼吸の合図により息を止めていただくことがあります。

検査画像

検査時の注意事項

  • 検査室内には非常に強い磁場が発生しています。そのため、磁石に引きつけられる物や画像に影響を及ぼすおそれのある物は検査室内に持ち込めませんので、下記の物がないか確認し、該当する場合は取り外して検査を行います。
金属物
  • 携帯電話
  • 時計
  • メガネ
  • ベルト
  • アクセサリー(ヘアピン、ピアス、ネックレス、指輪)
  • 取り外し可能な入れ歯
  • 補聴器
  • ライター など
磁気カード
  • 診察券
  • 駐車券
  • キャッシュカード
  • クレジットカード
  • 定期券 など
その他
  • コルセット
  • かつら
  • カイロ
  • 湿布
  • カラーコンタクトレンズ
  • 金属を含む義肢
  • 装具 など

以下の方はMRI検査を受けられない場合がありますので、必ず事前にお知らせください。

  • 心臓ペースメーカーを装着されている方
  • 人工内耳を使用している方
  • 体内に金属性のものを埋め込まれている方
  • 妊婦または妊娠している可能性のある方
  • 閉所恐怖症の方
  • 入れ墨、アートメイクのある方(金属を含む場合があり、検査中に熱感を伴うことがあります)
  • 金属を含んだ化粧品をされている方(化粧品の中には金属を含んでいる物があります。検査の際は出来るだけ化粧等はご遠慮ください。)

※一部のものは特別な環境下で検査可能な場合もありますのでご相談ください。

  • 条件付きMRI対応ペースメーカー植込みのある方について
    • 当院では、条件付きMRI対応ペースメーカー植込みのある方については検査が可能です。MRI検査において、ペースメーカーの種類によっては、検査が出来ない可能性もありますので、検査前に診療科を受診する必要があります。
    • 検査当日は、ペースメーカー手帳と条件付きMRI対応ペースメーカーカードの2つが必要となりますのでご持参ください。
    • MRI検査直前に、ペースメーカーのチェックや設定変更などが必要なため通常のMRI検査よりも時間がかかりますので、ご了承ください。
  • 検査をより詳しく行う場合に、検査の途中で造影剤を静脈注射します。また検査内容によっては検査前に飲んでいただく経口造影剤もあります。

以下の方は造影検査を出来ないことがありますので、事前に担当者にお申し出下さい。

  • 喘息(既往)がある方
  • 本人または両親、兄弟姉妹に発疹、蕁麻疹等のアレルギーを起こしやすい体質の方
  • 過去に造影剤を使用して気分が悪くなった、じんましん等がでたことがある方
  • 授乳中の方
  • 腎機能の悪い方や血液透析を行っている方

造影剤を使用する検査では、『同意書』が必要です。検査申込時に主治医などに造影検査について説明を受けて、同意できたら署名をお願いします。

  • 検査中に気分不快等の異常を感じた場合は、あらかじめ持って頂いているハンドブザーでお知らせ下さい。
  • 造影検査後、造影剤は尿と一緒に排泄されます。検査後は水分(お茶、水等)を多めにとって排尿を促してください。ただし、医師より水分摂取の制限がある場合は除きます。
  • ごくまれに造影剤の副作用として数時間~数日の間に発疹や頭痛、吐き気などがみられることがあります。そのような症状が現れた場合には、検査指示を受けた診療科外来に遠慮なくご連絡下さい。時間外の時は救急外来にご連絡下さい。
  • 緊急検査やお子様の検査などにより予約時間通りに検査を行えない場合がありますので、ご了承ください。
X線TV室、内視鏡透視室(X線透視診断装置)

X線透視造影検査とは

胃透視・大腸造影・子宮卵管造影などX線と造影剤を使い撮影します。また、この他に脊髄腔造影や関節造影なども行っています。

当院のX線透視装置は放射線画像診断部と内視鏡透視室に1台ずつあり、放射線画像診断部にあるX線透視装置では、ミエログラフィー(脊髄腔造影)検査、神経根ブロック、HSG(子宮卵管造影)検査、嚥下機能評価を行うVFテスト(嚥下造影検査)等を主に行っています。また、内視鏡透視室にあるX線透視装置では、ERCP(内視鏡的逆行性膵胆管造影)、BF(気管支鏡)、バリウム造影剤を使用する胃食道透視検査や注腸造影検査等を主に行っています。

X線TV室は、全脊椎(脊椎全体の撮影)やトモシンセシス(断層撮影)が可能です。


X線TV室:EXAVISTA(富士フイルム社製)


内視鏡室:CUREVISTA(富士フイルム社製)

検査について

腰椎ミエログラフィー(脊髄腔造影検査)

脊髄腔内に造影剤を注入し、脊髄腔に狭窄等がないかを調べる検査です。


腰椎側面像


腰椎正面、斜位像

HSG(子宮卵管造影検査)

子宮の中に油性の造影剤または水性の造影剤を注入して子宮の状態や卵管の通過状態などを調べる検査です。通常のX線撮影では良く見えないものが、造影剤を使うことで見えるようになります。


卵管正常像


卵管狭窄像

胃食道透視

バリウムという造影剤を飲んで、様々な角度から胃を観察し、癌やポリープ等がないか調べる検査です。バリウムと空気による二重造影法によって、食道・胃・十二指腸などの消化管の粘膜の病変をX線で撮影します。


食道透視像


胃透視像

注腸造影検査

バリウムを肛門から注入し、様々な角度から大腸に癌やポリープ等がないか調べる検査です。バリウムと空気による二重造影法によって、直腸・大腸などの消化管粘膜の病変をX線で撮影します。


大腸透視像


大腸透視像

内視鏡と併用した検査

ERCP(内視鏡的逆向性胆管膵管造影)では、内視鏡を口から挿入し十二指腸にあるファーター乳頭と呼ばれる場所から造影剤を注入し、胆管・膵管を造影して胆石や狭窄等がないか調べる検査です。

そのほかにも、気管支鏡、関節腔造影、各種のチューブ挿入造影などを行っています。


胆管透視像


胆管透視像

バリウム検査における注意事項

  • バリウムなどの造影剤を使用するため着衣を汚すことがありますので、使い捨ての下着や検査衣に着替えていただくことがあります。
  • 緑内障・前立腺肥大症・心臓疾患などのある方や、食物・薬物アレルギーのある方は、あらかじめお申し出てください。
  • 検査当日に飲食された場合は、あらかじめその旨をお伝えください。
  • 妊娠されている方、その可能性のある方は検査できないことがありますので、お申し出てください。
  • 胃の検査のために飲んだバリウムは、できるだけ当日中に排泄するように、普段より多目の水分を取ってください。
  • 便秘気味の方には下剤をお渡ししております。注意書きをよくお読みになって服用してください。

被ばくについて

放射線の量を示す単位にはGy( グレイ )やSv( シーベルト )がありますが、放射線の身体への影響を考える場合にはSvが用いられます。世界の平均自然放射線量は1年間に約2.4mSvといわれています。

医療での検査による被ばく線量は撮影する装置によって違いますが、下表は当院のERCPの被ばく線量です。

管電圧
(kv)
管電流
(mA)
照射野
(倍)
DRLs2020
透視線量率
(mGy/min)
透視線量率
(mGy/min)
ERCP 89 1.3 1.4 診断 6.64
治療 10
5.0
90 1.4 1.6 5.5
90 1.4 2 6.0
RI検査室(核医学検査室)

RI検査とは

色々な物質を構成している元素の中には、同じ元素でも放射線を出している放射性同位元素(ラジオアイソトープ Radio Isotope:RI)というものがあります。RI検査では、このRIが特定部位に集まるように調合した薬(放射性医薬品)を投与し、その集積具合を特殊なカメラ(ガンマカメラ)で撮影します。


Symbia Evo Excel (SIEMENS社製)

実際の様子

当院のRI検査のご案内

当院のRI検査について一覧表にてご案内いたします。

検査 投与~撮影までの時間 投与 撮影時間
(目安)
備考
2~3時間後 注射 20分 撮影直前の排尿
炎症・腫瘍(Ga) 48時間後 注射 45分 当日の排便
脳血流(ECD) 直後 注射 30分 検査中の安静閉眼
脳血流(IMP) 直後 注射 45分 検査中の安静閉眼
線条体イオフルパン 3~6時間後 注射 30分 なし
脳腫瘍(Tl) 15分後、2時間後 注射 30分 なし
脳槽 直後、2・4・6・24・48時間後 注射 30~60分 なし
唾液腺 直後 注射 1時間 検査前1時間絶飲食
甲状腺ヨード 6時間後、24時間後 経口 10分 投与前2週間のヨード制限
副甲状腺 10分後、2時間後 注射 10分 なし
肺血流・
肺換気
5分後 注射
吸入
30分 なし
心筋血流(Tl負荷) 10分後、3時間後 注射 45分 検査前~終了まで絶食
心筋脂肪酸代謝
(BMIPP)
20分後、3時間後 注射 45分 検査前~終了まで絶食
心筋交感神経
(MIBG)
20分後、3時間後 注射 10分
消化管出血 直後、2・4・6・24時間後 注射 1時間 検査前絶食
腎・レノグラム 直後 注射 45分
副腎皮質 7日後 注射 30分 投与前日~7日後まで
無機ヨード経口摂取、排便
副腎髄質 6・24時間後 注射 30分 なし
ソマトスタチン受容体 4・24時間後 注射 45分 撮影直前の排尿

人体への影響について

核医学検査で投与される薬品(放射性医薬品)による副作用はほとんどありません。

放射線が人体に及ぼす影響は心配ありません。100mSv以下の線量における影響については、現在の科学的知見からは、発がんや遺伝的影響はないとされています。

検査で受ける実際の放射線の被ばく線量を示します。

次のような方は検査前にお知らせください。

  • 妊娠中、または妊娠している可能性がある女性
  • 授乳中の女性(数日~数週間、母乳を与えるのを避けたほうがいい場合もあります)
    →検査前に搾乳・保存し、検査後一定期間授乳を禁止する。
  • 乳幼児がいる女性(赤ちゃんを抱くのを半日程度避けたほうがいい場合もあります)
    ご不明な点はスタッフにお尋ねください。

RI検査画像

骨シンチ

骨の原発性腫瘍、転移、骨折、炎症部位に集積します。

ガリウムシンチ

全身の炎症、腫瘍部位に集積します。

脳血流シンチ

脳の各部位における血流状態を見ることが出来ます。

脳血流・肺換気シンチ

肺血流画像:正面

肺換気画像:正面

肺の血流と換気の分布を比較することが出来ます。

心筋血流シンチ

心臓に負荷をかけたときと安静時の状態を比較します。

心カテ室・アンギオ室(血管撮影装置)

血管造影検査(Angiography)とは

上腕部(肘または手首)や大腿部からカテーテルと呼ばれる細い管を血管内に挿入し、その先端を目的とする血管まで造影剤と透視画像で確認しながら押し進め、エックス線にて連続撮影します。造影剤を使うことにより、血管の走行や血管内病変(狭窄、閉塞など)や病変の形状、性質などを診断できます。

また、造影剤注入後の画像から注入前の画像を引き算するDSA(Digital Subtraction Angiography)を用いることで、造影剤の流れている血管のみを描出して、高い診断能力を発揮できます。

当院ではIVR(Interventional Radiology)という、検査と同時に血管拡張術(狭くなった血管を風船で膨らましたり、ステントと呼ばれる金属製の網で血管を補強する治療法)や動脈塞栓術(金属性コイルやスポンジ状の塞栓物質を注入して出血を止めたり、病変部への血流を遮断する治療法)といった治療を盛んに行っています。


フィリップス社製 Allura Clarity FD10/10

シーメンス社製 Artis zee BA Twin

検査・治療について

検査時間は約30分~1時間、治療時間は約1~3時間程度かかります。

医師より十分な説明を受け、納得した上で検査、治療を受けて下さい。検査、治療を受けるには、入院していただき、必要な前処置を病棟(病室)にて行います。

注意事項

検査・治療中のお願い

血管造影室は手術室と同じく清潔区域となっておりますので、検査、治療中は検査テーブルに仰向けに寝ていただき、体の上に清潔なシーツが掛けられます。不潔にならないために自分では動かず、ご用の際は周りのスタッフにご遠慮なく話してお伝えください。もし、痛み、かゆみ、吐き気などを感じる場合は、すぐにお知らせ下さい。

検査後の注意事項

動脈にカテーテルを入れて検査された方は、カテーテル抜去してから約6時間~一晩の安静が必要です。静脈の方は約1時間~3時間の安静が必要です。

被ばくについて

放射線の量を示す単位にはGy ( グレイ )やSv ( シーベルト )がありますが、放射線の身体への影響を考える場合にはSvが用いられます。世界の平均自然放射線量は1年間に約2.4mSvといわれています。

医療での検査による被ばく線量は撮影する装置によって違いますが、下表は当院の主な部位別の被ばく線量です。

アンギオ装置 Artis Zee BA Twin (SIEMENS)
部位 照射野
(cm)
フレームレート
(f/s)
管球配置 DRLs2020
透視線量率
(mGy/min)
透視線量率
(mGy/min)
Neuro 42 10 Under 17 9
Body 42 7.5 6
Cardiac 22 9
Leg 48 5
心カテ装置 Allura Clarity (PHILIPS)
部位 照射野
(inch)
フレームレート
(f/s)
管球配置 DRLs2020
透視線量率
(mGy/min)
透視線量率
(mGy/min)
Cardiac 10 7.5 Under 17 6
Leg 5

血管造影画像

骨密度測定検査

骨密度検査とは

X線骨密度測定装置Horizon(ホロジック社製)

骨に含まれるカルシウムなどのミネラル成分の量を測定します。
女性に多いとされている骨粗鬆症の早期発見や骨の健康状態を知ることができます。

検査は腰椎、大腿骨頚部の撮影を行います。

検査時間は、10~20分ほど要します。検査結果はコンピュータに保存され、定期的に検査を受けていただくことで、より精度の高い診断が行えます。

検査説明動画

X線検査の流れ

CT検査の流れ

乳房検査の流れ

関連ページ

放射線科へのご相談・検査依頼などは、以下のページをご確認ください。

放射線科 放射線検査・治療依頼

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