呼吸器外科

診療科紹介

私たちは肺癌など胸部に病気を患った多くの患者さまを「手術」で支え、心身ともに健やかな日常生活を再び送っていただけるよう日々努力しています。

肺・胸膜・気道だけでなく縦隔・胸郭・横隔膜まで呼吸器外科領域の全てを治療対象としています。毎年300例の胸部手術、100例を超える肺癌手術は胸腔鏡を用いた低侵襲手術でサポートしています。

確固とした手術スキルと親身な診療を常に心がけ、治療をひとつひとつ進めます。

主な対象疾患

胸部外科一般
  • 原発性肺癌
  • 転移性肺腫瘍
  • 胸膜悪性腫瘍
  • 肺良性腫瘍
  • 縦隔腫瘍
  • 胸壁腫瘍
  • 気胸(原発性・続発性)
  • 嚢胞性肺疾患
  • 膿胸
  • 炎症性肺疾患(結核・非結核性抗酸菌感染症、肺真菌症、肺化膿症)
  • 横隔膜疾患
  • 胸部外傷(血胸、肋骨骨折)
  • 気管腫瘍
  • 気道疾患 など
頚部疾患
  • 甲状腺腫瘍
  • 副甲状腺腫瘍
  • リンパ節疾患など

診療案内

肺・気道・縦隔・胸膜・横隔膜・胸郭などの呼吸器外科領域全体を治療対象としています。

治療の中心は肺癌です。当院は「がん拠点病院」としての役割を担っていて、私たちは地域の肺癌患者さまに対して呼吸器内科・放射線科と共に最良の治療プランを提供、外科的な治療を一手に引き受けています。

肺癌治療だけでなく炎症性肺疾患に対する手術、突然の気胸、難治性の膿胸、外傷性の血胸や肋骨骨折の他、縦隔腫瘍、気道疾患など胸部における様々な病気に対して手術を武器に治療を施しています。毎年300例の胸部手術、また100例超える肺癌手術に対しては胸腔鏡を用いた体に優しい低侵襲手術でサポートしています。


開胸の手術創

胸腔鏡の手術創
治療内容
  • 手術:胸腔鏡手術、癌拡大手術、区域切除など縮小手術、気管切開、気道ステント留置、甲状腺切除など
  • 術後薬物治療:化学療法、がん免疫治療
  • 放射線科と連携した放射線治療
当院で手術した原発性肺癌症例の生存曲線

症状別情報 ~こんな症状ありませんか?

以下の症状をクリックすると詳細情報を開きます。

下記のような症状がありましたら、早めにお気軽にご相談ください。

健康診断の胸部レントゲン検査で要精査と言われた、かかりつけの医療機関で肺に影があると言われた

詳しい検査が必要です。当院は最新の高分解能CT(コンピューター断層撮影)装置を導入しており、1cm以下の病変も確実に発見できるようになりました。肺がん病変であっても早期に発見されたものは手術などにより完全に治る可能性が高く、早めの受診をお勧めします。

30日以上続く咳、たん、血痰、胸痛などの症状がある

呼吸器の病気が潜んでいる可能性があります。早めの検査で異常な場所を診断しましょう。近年、日本では肺がん症例が増え続けており、死亡原因の第1位となっています。喫煙者の方は高リスク群であることが知られています。

風邪はひいていないようなのに声が次第にかすれてきた

嗄声(させい)という病態です。いろいろな原因が考えられますが、肺がんや縦隔腫瘍などの胸部の病気にも由来することがあり、詳しい検査が必要となります。

突然胸部や肩のあたりに痛みがおこった

胸痛はさまざまな原因で起こります。心臓や肺疾患だけでなく食道や胃などの疾患でも胸が痛むことがあります。肺が原因の痛みの場合には、しばしば咳や呼吸苦を伴います。その中でも肺がパンクした気胸という疾患では高い頻度で認められる症状です。若くて細身の男性に多く年間約50例の方が胸腔鏡手術で治療を受けています。胸痛があればレントゲン撮影や心電図で異常を見つける必要がありますのですぐご連絡ください。

診療体制

  • 当院は、呼吸器外科・胸部外科学会認定の基幹施設であり、日本外科学会、呼吸器外科学会、胸部外科学会、呼吸器内視鏡学会などの認定医、専門医、指導医などの資格を有するチームにより診療を行っています。現在、外科専門医4名・呼吸器外科専門医3名、気管支鏡専門医3名を有しています。
  • 当科の年間手術数は県内でもトップクラスです。年間300例を超える手術を行い、そのうち肺がん手術は毎年100例を超える実績です。
  • 様々な術式に精通し、胸腔鏡手術を積極的に取り入れ負担の少ない手術を実施しています。肺がん手術の約9割は胸腔鏡下手術です。
  • 九州地区で結核に対する外科治療を行っている数少ない施設であり、膿胸や炎症性肺疾患などの治療依頼は九州全域に及んでいます。
  • 新患外来・再診外来は月曜~金曜で毎日対応しています。時間外の相談・急患依頼も対応いたします。

診療方針

“よく診て、よく聞き、やさしく治す”

  • 質が高く、独りよがりとならないエビデンスに準じた医療の提供を心がけています。
  • 人間性に満ちた医療を行うことを基本精神としています。

呼吸器内科、呼吸器外科、放射線科の3科で合同カンファを毎週行い、ベストな治療方針を決定しています。様々な胸部疾患を根治へ向けて集学的治療で対応いたします。

主な検査・設備

  • 最新4K画像の胸腔鏡手術システム(蛍光内視鏡も可能)
  • 肺区域切除などの複雑な手順の手術では、術前に 3D-CT を行い切除範囲の緻密な計画を立てます。

以下をクリックすると詳細情報を開きます。

3D-CT画像

地域の医療機関の方へ

  • 親身な医療を提供します。
  • 高い技術と豊富な経験で地域医療に貢献いたします。
  • チーム力に自信があります。

認定・指定施設

  • 日本呼吸器外科専門医認定機構 基幹施設
  • 日本胸部外科学会 認定施設
  • 日本呼吸器内視鏡学会 認定施設
  • 日本呼吸器学会 認定施設
  • 肺癌検診精密検査実施医療機関
  • 肺癌検診再精密実施医療機関

診療実績

私たち呼吸器外科は現在の新体制となった2002年以降、年間200例を超える手術を行っています。2015年に年間手術症例数は300例に到達、その後2019年には340例の手術を経験しました。

この2年間は世界的なコロナ情勢となり、当院はコロナ感染治療へも最大限の取り組みを行うため、一般患者さまの入院制限や手術制限を行いながらも「withコロナ」で肺癌などの手術治療を継続してきました。

年間手術数(直近10年間)
年度 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021
症例数 229 252 290 300 325 326 291 340 227 271

※ コロナ対応のため入院制限・手術制限あり

2019年度 手術内訳
疾患 症例数(胸腔鏡)
原発性肺癌 124(107)
転移性肺腫瘍 8(7)
膿胸 35(5)
肺結核・炎症性 9(1)
縦隔・胸壁 20(11)
自然気胸 46(42)
その他 98(22)
総数 340(195)

その他:甲状腺疾患、生検手術、気管切開など

外来担当医表

呼吸器外科
診療科情報
岩中


岩中 剛

緊急や初診はいつでも受付可能ですので、窓口や電話でご相談ください。

外来のご案内へ

スタッフと専門領域

呼吸器外科

濵武 大輔 はまたけ だいすけ

呼吸器外科部長

専門分野

呼吸器外科、胸部外科、胸腔鏡手術、肺癌

取得資格

日本外科学会(認定医・専門医)、日本呼吸器外科学会(専門医・評議員)、日本呼吸器内視鏡学会(専門医・指導医・評議員)、日本胸部外科学会(専門医・評議員)、日本気胸・肺嚢胞性疾患学会(評議員)、日本移植学会(認定医)、日本肺癌学会九州支部(評議員)、日本胸部外科学会九州地方会(評議員)、ロボット手術 daVinci Certificate取得、緩和ケア研修・修了医

所属学会

日本外科学会、日本呼吸器外科学会、日本呼吸器内視鏡学会、日本胸部外科学会、日本移植学会、日本内視鏡外科学会、日本肺癌学会、日本気胸・肺嚢胞性疾患学会、日本ロボット外科学会、日本内分泌外科学会、WABIP

呼吸器外科

緑川 健介 みどりかわ けんすけ

呼吸器外科医師

専門分野

呼吸器外科

取得資格

外科専門医

所属学会

呼吸器外科学会
胸部外科学会
外科学会
内視鏡外科学会
呼吸器内視鏡学会
日本移植学会
肺癌学会

ひと言

4月より当院へ赴任してまいりました呼吸器外科の緑川でございます。8年前に2年間当院でお世話になり、再度お世話になることとなりました。患者様の力になれるよう頑張ります。よろしくお願いいたします。

呼吸器外科

岩中 剛 いわなか つよし

呼吸器外科医師

専門分野

呼吸器外科、小児外科

取得資格

日本外科学会 外科専門医、日本小児外科学会 小児外科専門医

所属学会

日本外科学会、日本小児外科学会、日本呼吸器外科学会、日本胸部外科学会

呼吸器外科

西野 菜々子 にしの ななこ

呼吸器外科医師

専門分野

呼吸器外科

所属学会

日本外科学会
日本呼吸器外科学会
日本胸部外科学会

ひと言

4月より赴任して参りました呼吸器外科の西野と申します。皆様のお役に立てるよう努めて参ります。よろしくお願いします。