救急科

診療科紹介

救命救急センター(三次救急医療機関)として重篤患者(表2)を受け入れるのみならず、地域のニーズに応じて全ての救急搬送患者を受け入れており、応需率は概ね95%以上達成できております(表1)。当院の管内消防である粕屋北部消防からの搬送依頼に関しては年度応需率99%を達成し、地域外に関しても、救急搬送困難事例は可能な限りの受け入れを行っており今年度も糸島地域 北九州地域 飯塚地区からも受け入れを行いました。

診療体制

  1. 救急診療体制
    1)平日日勤帯は救急科専門医を軸にサポート医師1名、その他、各診療科へのコンサルトによる協力体制、JNP(診療看護師)による医師診療補助 2)休日・時間外は4~5名の医師(救命救急センター、ICU、内科系、外科系、小児科)に研修医も加わった急患対応を行っております。夜勤帯などの時間外での救急入院患者に関しては翌日の朝カンファランスにて当直医よりの報告や日勤帯への引継ぎを行い救急科含めて継続入院診療科を決定し時間外入院患者の救急診療の質の担保も図っております。また、重症傷病者の対応は各診療科との連携が重要で今年度は重症頭部外傷に対して救急科と脳神経外科、手術室と連携して救急初療室(ER)での穿頭血腫ドレナージ術を行った症例を経験し、今後も各科が協力しシームレスな診療が行える体制作りを行いたいと思います。
    今後は救急医療の質を落とさずに医師の働き方改革を進める必要性があり、そのためには医療におけるDX・ICT化が必須と考えるため検討していきたい。
  2. 病院前救急診療体制
    粕屋北部消防本部の救急救命士の就業中病院実習受け入れを行い、救急救命士含めた消防職員を対象に講義・症例検討会などを定期的に開催し救急救命士の知識と技術の向上に寄与しております。また、救急救命士が行う特定行為の指示・指導・助言、事後検証や救急救命士の病院実習含めた日常的教育や福岡県救急業務メディカルコントロール協議会、福岡地域メディカルコントロール協議会、事後検証委員会へ参加し福岡県内や地域全体の救急診療体制の充実を図っております。今年度より粕屋北部消防から救急現場状況や傷病者情報を当院と共有することで、視覚的に医療機関が認識し搬入後に早期治療開始へ役立てるための情報共有ツールとしてLINE WORKS導入を検討・協議しました。
  3. 院内外救急教育体制
    当院職員、近隣消防、医師会を対象に、救急プライマリケアカンファランス(3回/年)を当院にて定期的に開催しており、今年度は ①脳卒中における血管内治療、総務省消防庁通知に基づく救急隊の観察・処置、粕屋北部消防と当院救急科による脳卒中搬送連携の取り組み ②脳死下臓器提供・臓器移植の体制作り ③大規模災害時における小児・周産期リエゾンについて 救急・災害など多岐に渡る内容で院内・院外医師による講演・カンファランスを行いました。
    また、テーマを決めて救急症例検討会を6回/年程度開催しております。通常の救急診療に関する症例検討や救急・災害診療などに関する勉強会など消防含めた医療従事者の知識の習得の場となっていると考えます。2025年度は ①救急領域における気管挿管の適応 ②産婦人科領域における救急疾患 ③頭痛の鑑別 ④鼻鏡・耳鏡 肛門鏡 膣鏡の使用法 ⑤脳死に関して など当院へ救急搬送され研修医が経験した症例を基に近隣消防とともに症例検討会を行いました。
    また、各種救急関連のコース教育を定期的に開催しております。ICLS(日本救急医学会認定心肺蘇生コース)、JPTEC(病院前外傷救護コース)、PEMEC(病院前内因性救護コース)、MCLS(多数傷病者対応コース)、J-MELS(母体救命)などへの受講や指導者として参加し、地域内外での救急医療全体の向上に寄与できたと考えます。
  4. 災害医療体制
    災害拠点病院として日本DMAT・福岡県DMAT隊員・国立病院機構災害医療班の養成・育成・訓練、災害派遣を行っています。救急科、当院災害対策委員会委員、DMAT隊員が中心となり定期的な講義・院内災害机上訓練で知識を習得し、令和8年1月31日には近隣医療機関、消防機関、古賀市や新宮町などの自治体、粕屋保健所、宗像・遠賀保健所や近隣医師会、福岡女学院看護大学、公務員ビジネス専門学校救急救命士学科などの参加による大規模災害実働訓練を行うなど災害医療体制の充実と連携に力を入れております。来年度は更なる医療機関同士の連携や近隣医療機関への軽症者の受け入れも視野に入れた訓練を実施したいと考えております。

検査・治療装置

1階 初療室(救急用CT、除染室あり)1階 救命救急センター 10床(専用)
1階 ICU 6床(兼用)
3階 東病棟 51床(兼用)

認定・指定施設

日本救急医学会認定救急科専門医指定施設
災害拠点病院
福岡県DMAT指定医療機関
臨床研修病院

地域の医療機関の方へ

福岡県内に救命救急センターは10病院あり、当院はその1つであり地域の健康と安全を守る“最後の砦”としての使命を担っており、急患の受け入れから診療、治療、ケアまでの全ての段階で最善を尽くします。専従医2名体制での診療範囲には限りはありますが、専門的な知識と経験を活かし、各診療科の協力・サポート体制のもと努力していきます。これからの更なる高齢化社会、独居世帯、老々介護、施設入所者の増加によりこれまでの様な救急医療体制の存続は危ぶまれております。地域の医療関係者の皆様との連携を大切にし、緊急の状況において円滑な情報共有と連携を実現するため努力してまいります。

診療実績

表1:救急患者数の概要(4月~翌年3月)
  
項目内訳2020年度2021年度2022年度2023年度2024年度2025年度
救急患者数88069643106931048795908864
患者数内訳救急搬送件数373236903767416441003887
その他(Walk in等)507459536926549041004977
うち入院211321893170314333943317
診療科内訳脳血管内科257294342300311295
整形外科305266249314331317
消化器内科235263471477525531
呼吸器内科229259375443439370
感染症内科100259281137149136
循環器内科219201303280310308
救急科2571992142554240223
腎臓内科7296819099116
小児科10488297306363352
脳神経外科6683809498109
269181477447529560
救命救急センター新入院数628549529558508514
救急車応需率97.2%97.2%
表2:救命救急センター重篤患者受け入れ数(4月~翌年3月)
 
項目内訳2020年度2021年度2022年度2023年度2024年度2025年度
重篤患者数(厚生労働省基準)672656685858609621
疾病内訳病院外心停止754969695048
重症急性冠症候群465784616056
重症脳血管障害323339515549
重症外傷210201169200169104
重症消化管出血523841546580
敗血症13814417324511886
その他119134110178178198

スタッフと専門領域

救急科

宇津 秀晃 うづ ひであき

救命救急センター長

専門分野

救急医学
外傷学
災害医療
航空医療
病院前救護

取得資格

日本専門医機構救急科専門医
日本航空医療学会認定指導者
麻酔科標榜医
臨床研修指導医
看護師特定行為研修指導者
日本救急医学会ICLSコースディレクター/ ICLS指導者養成WSディレクター
JPTECインストラクター・世話人
PEMECマスターインストラクター
J-MELS(日本母体救命システム普及協議会)インストラクター
日本DMAT隊員
統括DMAT
福岡県DMAT
福岡県災害医療コーディネーター
福岡県救急業務メディカルコントロール協議会委員
福岡地域救急業務メディカルコントロール協議会事後検証医
日本救急医学会九州地方会評議員
福岡救急医学会評議員

所属学会

日本救急医学会
日本臨床救急医学会
日本集中治療医学会
日本外傷学会
日本航空医療学会 など

救急科

小林 敦人 こばやし あつと

救急科専攻医

取得資格

JATEC
JPTEC
ACLSプロバイダー

所属学会

日本救急医学会
日本集中治療学会
日本外傷学会 など

ひと言

9月より当院に赴任して参りました救急科の小林でございます。まだまだ未熟者ですが、患者様のお役に立てるよう精一杯がんばりますのでよろしくお願いします。