診療について
他部門との緊密な連携をとりつつ、早期に効率の良いリハビリテーションにより身体機能を改善し、地域・社会への早期復帰を目指しています。
▸自宅でできる健康促進パンフレットのご案内
外出機会が減っている状況でもできるかぎり自立した生活を送り、介護予防に努めることができるようにパンフレットを作成しています。本パンフレットが皆様の健やかな人生の一助になれば幸いです。
理学療法部門
1. 理学療法とは
身体に障害のある方に対し、起立や歩行などの基本的動作能力の回復を図るために、関節可動域運動や筋力増強運動などの運動療法や、温熱、電気、牽引などの物理療法を行います。
2. 当院での理学療法内容
- • 脳卒中などにより身体に麻痺が生じた患者様に対して、ベッドサイドから関わる早期の理学療法を行います。また、介助や装具を用いて基本的動作練習を行うことにより麻痺の回復を促し、残存能力を高めます。
- • 骨折、変形性関節症、脊椎疾患などの患者様に対して、疼痛や全身状態を考慮しながら関節可動域運動、筋力増強運動、基本的動作練習を行います。手術後は早期から開始することにより身体機能の回復を図ります。
- • 肺がん術後や慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの呼吸器疾患の患者様に対して、効率的な呼吸法の指導、排痰練習、呼吸体操、運動療法などを行い、肺の機能の向上と日常生活での呼吸困難感の軽減を図ります。
- • 心疾患をお持ちの患者様が再び社会に復帰できるように、心機能・耐久性の向上、再発予防のための教育などを行います。
- • 糖尿病教育入院(2週間コース)の患者様に対して、運動療法の指導を行います。
心臓リハビリテーション
当院は、日本心臓リハビリテーション学会認定の「心臓リハビリテーション指導士」が6名在籍しており、患者様それぞれの身体状態評価による運動処方に基づいた運動療法を提供しています。心臓リハビリテーションを行うことで、様々な良い効果を与えることがこれまでの研究からも報告されています。
心疾患をお持ちの患者様が再び社会復帰できるように、医師・看護師・理学療法士・作業療法士・栄養士・薬剤師・臨床検査技師など、多職種による支援を行います。入院・外来の患者様を問わず、心臓リハビリテーションを行っています。必ず循環器内科医師の診察が必要となりますのでご了承ください。
医師の診察により心臓リハビリが必要と判断された患者様は、各種身体機能検査後に、血圧や脈拍・心電図による安全性を確認した上で安静度や運動範囲を拡大していきます。病棟内またはリハビリテーションセンターにて、運動や動作指導を行います。
心臓リハビリテーションは生涯にわたる継続が推奨されており、退院した時が「終了」ではなく、むしろ「始まり」と言えます。退院後も心臓リハビリテーションを当院またご自宅にて継続して頂き、実りある生活を送って頂けるよう、チーム一丸となって患者様をサポートさせて頂きますので、よろしくお願いいたします。
作業療法部門
1. 作業療法とは
身体や心に障害のある患者様に対し、主に運動能力や社会生活能力の回復を図るためにリハビリを行います。
2. 具体的な内容
- • 歩行、食事、排泄、入浴などの日常生活に関する動作練習
- • 家事、外出、お金の管理などの練習
- • 仕事復帰に向けた耐久性の向上、作業手順の練習、環境への適応力の獲得など
- • 福祉用具の使用に関する練習
- • 退院後の住環境への適応練習
- • 発達障害や高次脳機能障害等に対するリハビリ
3. 当院の作業療法
当院は急性期病院という特徴をもっており、発症早期から状態に合わせて手足の拘縮予防や離床目的に作業療法を開始します。
その後、数週間から2か月程度と幅はありますが、入院されている間、元の生活に戻れるよう、可能な範囲で作業を通したリハビリを行っていきます。
言語聴覚療法部門
脳卒中の後遺症によりいくつかの障害が出現します。
1. コミュニケーション障害
▸失語症
聞く・話す・読む・書くの言語機能が低下することで、人の話が理解できなかったり、思ったことをスムーズに話せなかったり、字が書けなくなったりします。
▸構音障害
ことばを発するうえで大事な器官(舌や口唇など)がスムーズに動かなくなることです。発音が不明瞭になったり、声が小さくなったりします。
2.高次脳機能障害
集中力が欠けてきたり、記憶力が低下したり、今まで普段使っていた物品がうまく使えなかったりします。日常生活が以前のように送れなくなったりします。
3. 摂食・嚥下機能障害
水分でむせやすくなったり、軟らかいものしか食べられなかったり、食べこぼしが多くなったりします。
- • コミュニケーション障害については、個別訓練や集団訓練を通して、コミュニケーションの改善を目指しリハビリを行います。
- • 高次脳機能障害についての精査を行い、発現機序に基づいてリハビリを行います。
- • 摂食・嚥下機能についての詳しい検査(VF・VEなど)を行い、早期からの経口摂取を目指してリハビリを行います。
- • 急性期より詳しい評価や積極的なリハビリを行い、できる能力を伸ばしながら機能回復を目指します。
- • また、家族指導や日常生活に関するアドバイスも積極的に行います。
当院の地域における特色
リハビリ医療の流れの中で、当院は急性期リハビリの役割を担っています。疾病、外傷の急性期治療を行いながら、患者様の状態に合わせて身体機能回復のためのリハビリを行っています。
急性期は患者様の状態が変化しやすいために、リハビリも医師、看護師と連携し慎重に進めます。回復期リハビリへの円滑な移行を目的として、入院患者さんのリハビリ回診には、近隣の回復期リハビリ病院のスタッフも参加します。急性期の治療を終えたら、退院もしくは転院となります。
スタッフと専門領域
リハビリスタッフ
理学療法士 10名
作業療法士 6名
言語聴覚士 4名
リハビリ助手 2名
施設基準
脳血管疾患等リハビリテーション料 (Ⅰ)
運動器リハビリテーション料 (Ⅰ)
呼吸器リハビリテーション料 (Ⅰ)
心大血管疾患リハビリテーション料 (Ⅰ)
がんリハビリテーション料 (Ⅰ)
障害児(者)リハビリテーション料