令和元年度 病院指標

令和元年度 福岡東医療センター 病院指標

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年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード

年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 801 230 180 259 487 753 1835 2985 1870 515

患者の年齢構成は、10歳未満と70歳代周辺との二峰性となっております。一般に救急入院において高齢者特に後期高齢者の比率が増える傾向にあります。

当院においては50歳代や70歳代の入院が増加しており比較的80歳以上の入院が押さえられているのは、救急医療にも力を入れておりますが地域がん診療連携拠点病院の機能も含め一般の診療からの予定入院も多いため両者のバランスの上での特徴と思われます。

小児に関しては、地域医療圏内に小児救急を行っている施設が乏しく、宗像・粕屋北部小児救急医療体制において二次救急医療を担っているため、小児の入退院率が多くなっています。

診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード

消化器・肝臓内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用
パス
060100xx01xx0x 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。)
内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術
処置なし,副傷病なし
472 3.56 2.63 0 67.48 1 2 3
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎
限局性腹腔膿瘍手術等
処置なし,副傷病なし
137 8.55 9.79 5.11 77.73
060100xx99xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。)
手術なし,処置なし,副傷病なし
(内視鏡検査のみ 等)
65 3.02 3.02 0 72.42
060130xx99000x 食道、胃、十二指腸、他腸の炎症(その他良性疾患)
手術なし,処置なし,副傷病なし
55 5.8 7.42 3.64 63.64
060102xx99xxxx 穿孔または膿瘍を伴わない憩室性疾患
手術なし,処置なし,副傷病なし
52 6.83 7.65 3.85 65.54

消化器・肝臓内科では、消化器疾患全般(消化管・肝臓・膵臓・胆道疾患)に対して幅広く診療を行っています。

上下部消化管内視鏡検査を数多く行っており、大腸ポリープや食道・胃・大腸の早期癌に対する内視鏡的切除を積極的に行っています。消化管出血や炎症(炎症性腸疾患や憩室炎など)に対する治療を行っています。

胆石や胆道腫瘍による胆管の狭窄や黄疸、発熱などに対して内視鏡および造影検査・治療を多く行っています。胆石症、胆嚢胆管炎に対して外科と共同で対応しています。

肝臓の炎症や腫瘍に対して幅広く診療しています。肝臓の癌に対してラジオ波による焼灼治療、血管塞栓術や抗癌剤治療を行っています。院内連携により適切で安全に行える体制ができています。

呼吸器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用
パス
040040xx9910xx 肺の悪性腫瘍
手術なし
処置あり(気管支ファイバースコピー検査等)
副傷病なし
140 2.99 3.34 0.71 72.06
040110xxxxx0xx 間質性肺炎
手術なし,処置なし,副傷病なし
91 20.62 18.84 12.09 75.89
030250xx991xxx 睡眠時無呼吸
手術なし
処置あり(終夜睡眠ポリグラフィーあり)
副傷病なし
83 2 2.03 1.2 57.95
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎
手術なし,処置なし,副傷病なし
70 22.04 20.84 51.43 85.37
040040xx99040x 肺の悪性腫瘍
手術なし
処置あり(化学療法ありかつ放射線療法なし)
副傷病なし
53 14.49 9.59 3.77 73.42

呼吸器疾患全般の診断と治療を行っています。

肺癌については診断を確定させるために気管支鏡検査を原則1泊2日で行っており、超音波気管支鏡下の生検(組織を採取しての検査)も行っています。

間質性肺炎の診断は多岐にわたり、時に難しい場合もありますが、詳細な問診や画像所見を中心に正確な診断を目指し適切な治療が出来るように努めています。

睡眠時無呼吸症候群の診断やCPAP等による治療導入を行っています。導入後は地域医療機関との連携を行っています。

市中肺炎や誤嚥性肺炎の急性期の治療も行っていますが、もともと持っている病気や全身状態により慢性期の治療を連携病院に依頼する事も多く転院率が高くなっています。

肺癌の抗がん剤治療についてはガイドラインに基づき、化学療法剤や分子標的薬、免疫チェックポイント阻害薬を含めた治療を行っています。抗がん剤治療の際には原則として初回は入院加療とし、その後は薬剤の種類や病状によって短期入院の繰り返しや外来での通院治療などを行っています。

その他、喘息や慢性閉塞性肺疾患などの閉塞性疾患も外来を中心に多数診療を行っています。

循環器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用
パス
050050xx02000x 狭心症、慢性虚血性心疾患
経皮的冠動脈形成術等
処置なし,副傷病なし
154 5.19 4.4 0.65 69.03
050050xx99100x 狭心症、慢性虚血性心疾患
手術なし
処置なし(心臓カテーテル検査),副傷病なし
151 3.61 3.01 0 71.36
050130xx99000x 心不全
手術なし,処置なし,副傷病なし
101 15.67 17.71 10.89 83.93
050210xx97000x 徐脈性不整脈
ペースメーカ移植術、交換術 等
処置なし,副傷病なし
49 11.92 10.8 8.16 79.96
050050xx99200x 狭心症、慢性虚血性心疾患
手術なし
処置あり(心臓カテーテル検査+血管内超音波検査など)
副傷病なし
46 3.63 3.15 0 70.72

循環器科は、24時間365日急性心筋梗塞や狭心症といった虚血性心疾患に対する検査や治療を積極的に行っています。また心不全や不整脈、心臓以外の血管病に対する検査や治療も幅広く行っています。

心筋梗塞以外の虚血性心疾患に対して治療を行った際の平均入院期間は約5日、検査のみの場合は約3日です。また心不全に対する入院期間は平均約2週間ですが、その原因や全身状態によって数日から3週間程度とばらつきがあります。外科的治療が必要な際には、血管外科や近隣病院の心臓外科と連携を密にとりながら対応しています。

小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用
パス
080270xxxx1xxx 食物アレルギー
手術なし
処置あり(負荷試験目的等),副傷病なし
164 1.79 2.15 0 2.88
040070xxxxx0xx インフルエンザ、ウイルス性肺炎
手術なし,処置なし,副傷病なし
83 5.33 5.73 1.2 1.67
040100xxxxx00x 喘息
手術なし,処置なし,副傷病なし
76 6.59 6.64 0 4.75
0400801199x00x 肺炎等(1歳以上15歳未満)
手術なし,処置なし,副傷病なし
64 5.8 5.69 0 4.16
040090xxxxxx0x 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他)
手術なし,処置なし,副傷病なし
64 5.47 6.19 0 0.7

当院は周辺人口20万人強の当該地域唯一の小児入院施設です。小児科では各種感染症や川崎病をはじめとする一般的な小児疾患全般にわたって診療しており、初期研修医・小児科後期専攻医の研修施設に指定されています。中でも、小児の救急、気管支喘息や食物アレルギー、神経、血液疾患については常勤医による専門外来を、また、内分泌・代謝、発達、循環器、腎疾患については、非常勤医師による専門外来を行っています。専門外来は予約制ですので、かかりつけの医療機関から紹介状をいただいたら、受診前に小児科外来へお電話下さい。

食物アレルギーについては、毎週4〜6名に対して1泊2日の入院の上で負荷試験を行っており、食物制限の解除が安全にできるようにしています。

また当院小児科は九州大学小児科、福岡市立こども病院と連携しており、診療上はもちろん、臨床研究も共同で行っております。対象疾患については、外来・入院患者さんの保護者の方に研究への参加をお願いすることがあります。未来のこども達によりよい医療を届けるため、主旨にご理解・ご賛同いただける場合はぜひご協力下さい(強制は絶対にいたしませんのでご安心下さい)。

整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用
パス
160800xx01xxxx 股関節大腿近位骨折
人工骨頭挿入術 肩、股等
処置なし,副傷病なし
122 25.87 25.94 86.07 83.8 1 2 3
160760xx97xxxx 前腕の骨折
骨折観血的手術等
処置なし,副傷病なし
88 8 5.54 4.55 49.83
160690xx99xx0x 胸椎、腰椎以下骨折損傷
(胸・腰髄損傷を含む。)
手術なし,処置なし,副傷病なし
60 15.2 19.4 88.33 78.55
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。)
人工関節再置換術 等
処置なし,副傷病なし
51 25.9 23.56 37.25 74.65
070160xx01xxxx 上肢末梢神経麻痺
手根管開放手術 等
処置なし,副傷病なし
45 4.82 4.7 0 74.58

整形外科では四肢や脊椎の骨折の他、膝・肩関節手術・靭帯再建など、幅広く治療を行っています。

加齢に伴い骨粗鬆症になると、転倒により足の付け根の大腿骨近位部骨折が生じやすくなります。骨折部の固定や人工骨頭挿入の手術を行います。

骨粗鬆症があると脊椎は脆弱化するため、転倒などにより容易に脊椎椎体骨折を起こします。通常安静により治しますが、椎体変形が強いときには手術を行います。

転倒し、手を強くついた際に橈骨遠位骨折を起こします。骨折部が不安定であればプレート固定の上、早期運動療法を行います。

また、変形性関節症などの変性疾患、前十字靭帯断裂・肩腱板断裂などのスポーツ障害の治療も行っています。

呼吸器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用
パス
040040xx97x0xx 肺の悪性腫瘍
胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術 等
処置なし,副傷病なし
121 15.72 11.51 2.48 70.56
040200xx99x00x 気胸
手術なし,処置なし,副傷病なし
38 8.97 9.11 5.26 51.05
040200xx01x00x 気胸
肺切除術 等
手術なし,処置なし,副傷病なし
30 11.57 10.18 0 40.17
040040xx9905xx 肺の悪性腫瘍
手術なし
処置あり(カルボプラチン+パクリタキセル、ゲフィチニブ 等)
副傷病なし
17 19.29 20.04 0 71 1 2 3
040040xx99040x 肺の悪性腫瘍
手術なし
処置あり(化学療法ありかつ放射線療法なし)
副傷病なし
16 15.31 9.59 0 65.44

呼吸器外科では、胸部外科領域の様々な良性・悪性腫瘍疾患の診療を行っています。

原発性肺癌は呼吸器内科や放射線科と協力して診断、治療実績のある適切な治療法を選択しています。手術治療対象者には積極的に胸腔鏡を利用した低侵襲外科治療を行っており、安全な手術だけでなく早期社会復帰も目指した手術を心がけております。昨年の胸腔鏡下肺癌手術は約9割に迫る症例数でした。年間100例以上の肺癌手術に加え縦隔腫瘍や気胸、また他施設では珍しい結核や感染肺疾患に対する手術実績もあり、昨年の手術総数は340例でした。手術後に化学療法や放射線治療が必要な悪性疾患の患者には、最新の化学療法や分子標的治療、免疫療法まで責任を持って行っております。また胸部疾患だけでなく甲状腺や副甲状腺手術も院内で担っております。

外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用
パス
060335xx02000x 胆嚢水腫、胆嚢炎等
腹腔鏡下胆嚢摘出術等
処置なし,副傷病なし
61 5.54 7.13 3.28 59.85
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上)
ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等
処置なし,副傷病なし
54 6.76 4.85 0 69.17
060150xx03xxxx 虫垂炎
虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの等
処置なし,副傷病なし
41 6.05 5.45 2.44 44.98 1 2
090010xx99x4xx 乳房の悪性腫瘍
手術なし
処置あり(パクリタキセル、シクロホスファミド+塩酸エピルビシン)
副傷病なし
26 3.19 4.25 0 57.58
060035xx01000x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍
結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等
処置なし,副傷病なし
24 24.33 15.02 4.17 71.38 1 2

外科では、胆嚢炎・胆のう結石、鼠径ヘルニア、急性虫垂炎などの良性疾患には腹腔鏡手術を積極的に行っています。胆嚢炎・胆のう結石に対する腹腔鏡下胆のう摘出術は手術前日に入院、ほとんどの方が術後2日目に退院となります。鼠径ヘルニアに対しては腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術を第一選択の手術にしています。腹腔鏡下胆のう摘出術と同様、手術前日に入院、ほとんどの方が術後2日目に退院となります。急性虫垂炎に対する手術は多くが緊急症例で、虫垂周囲膿瘍を伴わない場合の腹腔鏡下虫垂切除術では術後早期の退院が可能です。

乳がんの治療では胸筋、神経を極力温存した手術、さらには乳房温存手術も約50%の患者さんに行っています。術前に治療を行った後に乳房温存手術を施行する場合もあります。手術以外に抗がん剤や放射線治療もガイドラインに沿った治療を行っています。

胃・大腸などの消化管の悪性腫瘍に対しても、腹腔鏡手術を可能な限り行うようにしています。腹腔鏡下結腸切除術では手術前日あるいは前々日に入院、ほとんどの方が術後7-10日で退院されます。

上記主要手術は全てパスで管理され、検査や周術期管理に漏れがなく、良質な医療が提供できるようにしています。

当院外科は外科専門医5名、消化器外科専門医2名、乳癌専門医1名、内視鏡外科技術認定医2名、肝胆膵外科高度技能指導・専門医2名が常勤しており、専門性の高い、安全な医療を提供できる体制が整っています。

脳血管内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用
パス
030400xx99xxxx 前庭機能障害
手術なし,処置なし,副傷病なし
76 4.54 5.01 1.32 67.3
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満)
発症前Rankin Scale 0、1又は2
手術なし
処置あり(エダラボン),副傷病なし
46 21.11 16.13 39.13 71.89
010230xx99x00x てんかん
手術なし,処置なし,副傷病なし
46 8.96 7.1 10.87 64.3
010060x2990201 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満)
発症前Rankin Scale 0、1又は2
手術なし
処置あり(脳血管リハビリテーション)
副傷病なし
32 18.53 16.16 31.25 71.06
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満)
手術なし,処置なし,副傷病なし
29 25.62 18.81 58.62 72.76

急に発症する、めまい、ろれつが回らない、手足がしびれる・動かしにくいなどの症状は脳卒中(脳梗塞・脳出血)の可能性があります。脳卒中の治療は時間が勝負です。当院では24時間体制で脳卒中診療の専門医が待機し、診療を行っています。

脳卒中の入院に関しては、脳卒中専門医による超急性期の治療と日常生活復帰のためのリハビリテーションを並行して診療にあたっています。特に脳梗塞では超急性期に血栓溶解療法や血管内治療を含めた最善の治療を行っています。リハビリテーションでは個々の病状に合わせて豊富な経験を持つ理学療法士・作業療法士・言語聴覚士による自宅退院を目指した訓練を行ってます。病状安定後も復職などさらなる機能回復が望まれる場合は、地域医療機関と協働し継ぎ目のないリハビリテーションを行っています。

めまいの入院に関しては、その原因として脳卒中以外にも耳からくる末梢性めまい症が多くなっています。脳卒中と合わせててんかんなどの神経救急疾患の加療も積極的に行っています。

血液内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用
パス
130030xx99x40x 非ホジキンリンパ腫
手術なし
処置あり(リツキシマブ),副傷病なし
103 16.82 15.79 0.97 73.82
130030xx99x30x 非ホジキンリンパ腫
手術なし
処置あり(化学療法ありかつ放射線療法なし),副傷病なし
38 17.68 16.5 2.63 71
130060xx97x40x 骨髄異形成症候群
輸血療法 等
処置あり(アザシチジン),副傷病なし
14 33.64 20.3 0 75.71
130030xx97x40x 非ホジキンリンパ腫
輸血療法 等
処置あり(リツキシマブ),副傷病なし
12 27.5 31.3 0 74.08
130010xx97x2xx 急性白血病
輸血療法 等
処置あり(化学療法),副傷病なし
10 30.1 39.36 10 72.6

血液内科の入院患者の58%が非ホジキンリンパ腫です。非ホジキンリンパ腫は血液のがんの一種です。首や腋やそけい部(脚の付け根)のリンパ節が腫れて受診される場合がほとんどです。腫れたリンパ節を採取(リンパ節生検)して診断します。非ホジキンリンパ腫の治療は、抗がん剤や分子標的薬による薬物療法を行っています。非ホジキンリンパ腫にはいろいろなタイプ(組織型)があり使用する薬が異なります。治療が効いて寛解状態になり、60%以上の方が長期生存できるようになっています。70歳以上の患者さんでも、他の治療中の病気や全身状態を考慮し治療を行うことで、半数以上の方が寛解状態になります。

非ホジキンリンパ腫についで、入院患者で多い疾患は骨髄異形成症候群です。骨髄異形成症候群の患者は血液検査で貧血・血小板減少・白血球減少・白血病細胞が認められます。白血病に進行することがあるため「前白血病」とも言われます。直ちに治療を行わずに血液検査で経過をみる場合も少なくありません。治療をする場合は、貧血や血小板減少に対する輸血や化学療法(アザシチヂン注射)を行います。白血病細胞が増加した患者や、輸血が定期的に必要な患者に対して、化学療法(アザシチヂン注射)を実施すると、白血病細胞が減少したり輸血の頻度が少なくなるなど、病気の進行を遅らせる効果が期待できます。

脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用
パス
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷
(外傷性慢性硬膜下血腫、頭部挫創、頭部打撲など)
創傷処理・慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 等
処置なし,副傷病なし
28 14.86 9.67 21.43 77.82
010070xx99020x 脳血管障害(内頚動脈閉塞症 等)
手術なし
処置あり(SPECT・PET等),副傷病なし
23 2.87 5.33 0 72.78
010030xx9910xx 未破裂脳動脈瘤
手術なし
処置あり(造影剤注入手技、動脈造影カテーテル法)
副傷病なし
20 3.95 3.01 0 66 1 2 3
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷
(外傷性慢性硬膜下血腫,頭部挫創,頭部打撲など)
手術なし,処置なし,副傷病なし
13 12.77 7.34 15.38 70.54
010040x101x1xx 非外傷性頭蓋内血腫
(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10以上)
脳血管内手術+脳動静脈奇形摘出術等
処置あり(人工呼吸5時間を超えた場合),副傷病なし
- 46.5 39.27 87.5 68.75

※ 患者数が10人未満の症例は、- にて表記しています。

脳神経外科では地域の中核病院として機能しているため比較的高齢者の患者さんを診る機会が多く、その中でも頭部外傷や脳血管障害患者の割合が多い傾向にあります。

転院率については、現在の核家族化の影響もあり高齢の夫婦のみで生活されている方や高齢で一人で生活されている患者さんが比較的多く見受けられ、家庭復帰がむずかしい症例では回復期や療養型病院への転院率が高くなる傾向が示されています。

腎臓内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用
パス
110280xx99000x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全
手術なし,処置なし,副傷病なし
48 13.71 11.67 6.25 74
110280xx991x0x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全
手術なし
処置あり(経皮的針生検法),副傷病なし
22 11 7 4.55 49.14
110280xx02x1xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全
内シャント設置術・血管移植術
処置あり(人工腎臓 その他),副傷病なし
17 43.47 36.04 17.65 70.06
110310xx99xx0x 腎臓または尿路の感染症
手術なし,処置なし,副傷病なし
17 14 12.58 11.76 73.94
110260xx99x0xx ネフローゼ症候群
手術なし,処置なし,副傷病なし
15 27.4 20.93 20 75.47

慢性腎臓病は心血管合併症や死亡のリスク因子であり、慢性腎臓病が進行するとそのリスクも高くなります。腎臓内科は、慢性腎臓病の進行予防を介して合併症や死亡を抑えるために様々な取り組みを行っています。

腎臓病教育入院では、食事療法や薬物療法で可能な限り腎臓病の進行抑制に取り組んでいます。また入院中に心機能や全身の合併症の評価を行っています。

腎生検は慢性腎臓病の原因を調べる検査です。血圧管理や食事療法以外に、患者さんの病態に合わせて特殊な薬剤による治療が可能であるかも含めて判断します。

腎機能が高度に低下し腎代替療法が必要になった患者さんでは、血液透析・腹膜透析・腎移植を説明し、患者さん・ご家族の希望や生活スタイルに合わせて治療方針を話し合って決定します。治療方針が決定した方には、事前に手術を行うことを提案しています。事前に手術を行うことで入院期間を短くすることが出来、また入院中の感染症などの合併症を減らすことが出来ます。腎移植を希望され、移植が可能と考えられる方には円滑に移植可能な病院へご紹介しています。

糖尿病科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用
パス
100070xx99x000 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全なし。)
手術なし,処置なし,副傷病なし,85歳未満
31 13.29 10.84 0 63.39
100071xx99x110 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全あり。)
手術なし,処置あり(インスリン注射薬)
副傷病あり(認知症・閉塞性動脈疾患等),85歳未満
24 18 14.74 4.17 71.63
100070xx99x100 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全なし。)
手術なし,処置あり(インスリン注射薬)
副傷病なし,85歳未満
23 14 13.72 0 63.35
100070xx99x110 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全なし。)
手術なし,処置あり(インスリン注射薬)
副傷病あり(認知症・閉塞性動脈疾患等),85歳未満
23 17.83 15.2 8.7 60.87
060100xx99xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。)
手術なし,処置なし,副傷病なし
- 3.89 3.02 0 78.89

※ 患者数が10人未満の症例は、- にて表記しています。

糖尿病・内分泌内科での入院は、2型糖尿病の入院が最も多く糖尿病教育入院が中心です。2型糖尿病の治療の基本は生活習慣の改善にあります。当院ではセルフケア能力を高めるための教育入院を行っており、基本は15日間です。長期入院が困難な方には入院期間を少し短くしたり、検査のみや食事体験のみにしたりと、3~10日で相談に応じるようにしました。

1型糖尿病では生活習慣の改善よりも、適切なインスリンの補充が主体となります。カーボカウントの指導も栄養課と連携して行っています。肥満の解消も糖尿病治療に有効です。しかし肥満は短期間での減量は難しく、4週間の入院を勧めています。5-6kg程度の減量が得られる事が多いようです。

糖尿病は動脈硬化や癌の危険因子であり、積極的に精密検査や治療を行っていくようにしています。

連続2週間の血糖モニタリングが可能な最新の医療機器(フリースタイルリブレプロ )を用いて、患者さんそれぞれにあった治療の提案が可能となっています。

皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用
パス
080007xx010xxx 皮膚の良性新生物
皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部) 等
処置なし,副傷病なし
44 2.57 4.01 0 59.32
080010xxxx0xxx 膿皮症
手術なし,処置なし,副傷病なし
43 9.07 12.55 2.33 63.58
080006xx01x0xx 皮膚の悪性腫瘍(黒色腫以外)
皮膚悪性腫瘍切除術 等
処置なし,副傷病なし
31 3.26 7.9 3.23 82.1
080020xxxxxxxx 帯状疱疹
手術なし,処置なし,副傷病なし
28 7.21 9 0 72.61
080100xxxx0xxx 薬疹、中毒疹
手術なし,処置なし,副傷病なし
11 7.45 10.81 9.09 64

皮膚科では、短期間入院での手術を実施しています。「地域連携医療、人間味にあふれる医療、患者さんだけではなく家族介護者の意向も十分反映した医療」、をキーワードとする、当院皮膚科ならではの、信頼される皮膚科入院診療を目指しています。

入院目的は、皮膚腫瘍に対する手術が最も多く、次に重症皮膚感染症、重症薬疹、熱傷などです。当院には救急救命センター、感染症センターがあり、救急診療や感染症診療にも積極的に協力しています。

感染症内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用
パス
110310xx99xx0x 腎臓または尿路の感染症
手術なし,処置なし,副傷病なし
23 14.83 12.58 4.35 78.96
080010xxxx0xxx 膿皮症
手術なし,処置なし,副傷病なし
21 14.1 12.55 14.29 74.81
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎
手術なし,処置なし,副傷病なし
13 17.77 20.84 15.38 86
030245xxxxxxxx 伝染性単核球症
手術なし,処置なし,副傷病なし
- 7.2 7.37 20 23.8
080020xxxxxxxx 帯状疱疹
手術なし,処置なし,副傷病なし
- 9.8 9 0 73.4

※ 患者数が10人未満の症例は、- にて表記しています。

感染症内科では主に全身性の感染症(敗血症、ウイルス疾患)や不明熱等の患者を診療しています。その他、海外渡航後の発熱患者の診療も行っています。

院内においては、他診療科の発熱患者の相談・援助業務及び院内感染対策活動に従事しています。また感染症指定医療機関であるため、感染症法で定められている1類感染症、2類感染症、新型インフルエンザ等の発生時に円滑な対応ができるよう体制整備、教育、訓練等に取り組んでいます。

血管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用
パス
050180xx02xxxx 静脈・リンパ管疾患
下肢静脈瘤手術 等
処置なし,副傷病なし
39 2 2.78 0 67.54
050170xx03000x 閉塞性動脈疾患
動脈塞栓除去術・四肢血管拡張術
処置なし,副傷病なし
16 7.31 5.34 6.25 74.31
050163xx03x0xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤
ステントグラフト内挿術
処置なし,副傷病なし
- 12.11 11.75 11.11 76.56
050170xx9720xx 閉塞性動脈疾患
四肢切断術 等
処置あり(四肢切断術),副傷病なし
- 16.75 36.93 50 86.25
050163xx02x10x 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤
大動脈瘤切除術(吻合又は移植を含む。)
腹部大動脈(分枝血管の再建を伴うもの)等
処置あり(中心静脈注射),副傷病なし
- 18.33 19.82 0 71.33

※ 患者数が10人未満の症例は、- にて表記しています。

下肢静脈瘤に対しては1泊2日でレーザー治療を行っています。最新のレーザー機器を用いていますので疼痛や皮下出血が少なくなっています。

下肢閉塞性動脈硬化症に対しては患者の状態に応じて、血管内治療(血管拡張術、ステント留置術)とバイパス手術を行っています。

腹部大動脈瘤に対しては患者の状態に応じて、血管内治療(ステントグラフト内挿術)と開腹手術を行っています。例年は70-80%の患者にステントグラフト内挿術を行っています。

婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用
パス
120060xx01xxxx 子宮の良性腫瘍
子宮全摘術等
処置なし,副傷病なし
29 11.52 9.71 0 43.93 1 2
120070xx02xxxx 卵巣の良性腫瘍
卵巣部分切除術(腟式を含む。) 腹腔鏡によるもの 等
処置なし,副傷病なし
20 7.8 6.21 0 44.5
120060xx02xxxx 子宮の良性腫瘍
腹腔鏡下腟式子宮全摘術 等
処置なし,副傷病なし
16 3.25 6.09 0 44
120100xx01xx0x 子宮内膜症
子宮全摘術 等
処置なし,副傷病なし
15 8.53 7.37 0 41.2
120220xx01xxxx 女性性器のポリープ
子宮全摘術 等
処置なし,副傷病なし
14 2.93 2.9 0 38.29 1 2

婦人科では、思春期、性成熟期、周閉経期のホルモン変動によるトラブルを中心に診療しています。できるだけ普段通りの生活をしながら治療を続けて頂くために、可能な限り外来での治療、身体への負担が少ない手術を選択しています。

最も力を入れているのは不妊治療であり、ご夫婦の希望や生活スタイルに合わせて、タイミング指導から配偶者間人工授精、体外受精、顕微授精、胚凍結まで行っています。不妊の原因検索のため、一般不妊検査のみならず子宮鏡や腹腔鏡を用いた特殊検査まで行うことが可能です。

不妊の原因となりうる子宮筋腫や子宮内膜症、卵巣腫瘍に対しては、妊娠への影響を最小限にするために腹腔鏡手術を積極的に実施しています。なお着床の妨げとなる子宮内膜ポリープに対して子宮鏡手術を選択することにより、正常な内膜の損傷を可能な限り軽減させています。

将来の挙児希望に備えて月経困難や子宮内膜症をコントロールすることは大切であり、早い段階での婦人科受診をお勧めしています。

救急科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用
パス
161070xxxxx00x 薬物中毒(その他の中毒)
手術なし,処置なし,副傷病なし
17 2.94 3.52 5.88 51
030400xx99xxxx 前庭機能障害(末梢性めまい症 等)
手術なし,処置なし,副傷病なし
13 4.85 5.01 7.69 66.38
080270xxxx0xxx 食物アレルギー
手術なし,処置なし,副傷病なし
11 2.45 2.48 0 49.91
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷
手術なし,処置なし,副傷病なし
10 5.2 7.34 10 71.2
100380xxxxxxxx 体液量減少症
手術なし,処置なし,副傷病なし
- 2.75 9.13 0 64.63

※ 患者数が10人未満の症例は、- にて表記しています。

救急科は主に救急車で来院される脳卒中、呼吸・循環不全、重症感染症等の患者さんに対する初期対応や緊急処置を行い、各診療科の担当医へと引き継ぎます。救急の現場では患者さんの症状・診察所見・各種検査結果などから、的確で迅速な診断・処置が必要となります。地域住民の皆さんがいつでも安心して救急医療が受けられるように対処しています。

神経内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用
パス
010160xx99x10x パーキンソン病
手術なし
処置あり(SPECT),副傷病なし
10 18.4 19.79 30 77.4
010160xx99x00x パーキンソン病
手術なし,処置なし,副傷病なし
- 14.83 17.72 33.33 77.67
010220xxxxxxxx その他の変性疾患(レビー小体型認知症 等)
手術なし,処置なし,副傷病なし
- 22.6 16.71 40 76.6
010130xx99x4xx 重症筋無力症
手術なし
処置あり(ガンマグロブリン),副傷病なし
- 28.33 17.16 0 61.67
010155xxxxx20x 運動ニューロン疾患等(筋萎縮性側索硬化症)
手術なし
処置あり(エダラボン),副傷病なし
- 14.67 16.39 0 72.33

※ 患者数が10人未満の症例は、- にて表記しています。

神経内科は、脳・脊髄・末梢神経・筋肉の異常により起こる疾患を対象としています。神経内科疾患は多岐に渡ります。脳血管障害などの急性疾患(脳血管内科)、緩徐進行性の変性疾患、慢性疾患に分類されます。変性疾患に関しては、診断されるまでに各種検査を行い慎重に経過をみる必要があると考えております。診断が確定し症状が変らず安定していても感染症や体調の変化、内服薬による影響などで病状が変化することもあります。そのため定期的な診察と必要な検査を受けることをお勧めします。

初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード

初発 再発 病期分類
基準 (※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 49 - 19 21 70 - 1 7,8
大腸癌 11 23 61 44 74 38 1 7,8
乳癌 22 - - - - 33 1 8
肺癌 128 22 73 167 126 142 1 7,8
肝癌 17 20 - - - 90 1 7,8
※ 1 : UICC TNM分類, 2 : 癌取扱い規約

当院は国指定の地域がん診療連携拠点病院であり、がん患者の多い上記5大がんに対して各疾患の専門医を有する診療科が有機的に連携し、手術・抗がん剤治療・放射線治療を行っています。胃がん、大腸がん、肝がんは消化器内科と外科、肺がんは呼吸器内科と呼吸器外科、乳がんは外科が担当しています。放射線治療医は全てのがん種で放射線治療が必要な場合、治療に参加します。診療にあたっては各分野で認定された専門医が担当します。

内訳をみますと、全体のがん患者の症例数は例年並みでした。早期がんに対しては手術治療を積極的に行い、進行・再発のがんに対しては、手術・薬物療法・放射線療法を組み合わせ、個々の患者さんに合わせた治療を行います。また、がんと診断され、当院に受診した時から精神的支援を含めた緩和医療の介入も積極的に行っています。

これらの情報は、厚生労働省の指示による集計方法を用いられており、「患者数」は計測期間内の退院数となります。複数回入院の場合は入院回数分が集計されています。また、がんの疑いで入院してがんでないと判定した症例は「不明」分に集計しています。このような理由から国立がん研究センターが公表しているがん統計の集計値とは異なります。

成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード

重症度 患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 46 9.83 56.74
中等症 212 14.16 78.08
重症 45 19.51 81.38
超重症 13 19.00 81.46
不明 0 0.00 0.00

肺炎の原因や重症度を問わず、人工呼吸管理を含め診療を行える体制を取っております。重症度の高い場合は合併症や併存症を有する割合も高く平均在院日数が比較的長くなっております。

脳梗塞のICD10別患者数等ファイルをダウンロード

ICD10 発症日から 患者数 平均
在院日数
平均年齢 転院率
I63$ 3日以内 180 23.41 74.79 35.41
その他 29 19.69 71.31 5.26

急性期(発症後1~2週間以内)の患者を主体に診療しています。日常生活における障害を最小限にくい止めることを目的として、超急性期の血栓溶解療法や血管内治療を脳神経外科と協働して行っています。脳梗塞入院患者数は昨年度よりも増加しています。

脳梗塞のほとんどは発症3日以内に受診されています。脳梗塞によって起こった麻痺や言語障害などの症状に対して、入院中に積極的にリハビリを行っています。さらなる機能回復が望まれる場合には、地域の医療機関と連携して、転院の上リハビリなどの加療継続を行う場合も多くなっています。

診療科別主要手術別患者数等ファイルをダウンロード

消化器・肝臓内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用
パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 493 0.76 1.79 0.2 67.97 1 2 3
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 131 1.64 8.85 6.87 78.06
K654 内視鏡的消化管止血術 64 2.02 13.34 17.19 75.75
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍粘膜下層) 49 1.2 8.94 0 73.06
K6152 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(選択的動脈化学塞栓術) 38 3.87 12.71 0 72

消化器・肝臓内科では、食道・胃・大腸の早期癌や大腸ポリープに対する内視鏡的切除を積極的に行っています。胃潰瘍や大腸憩室などからの出血に対して内視鏡的に止血する治療を行っています。

胆石症、胆のう胆管炎、胆道腫瘍に対して外科と共同して対応しています。胆石や腫瘍により胆管の胆汁の流れに障害が起きた時に、ステントという道具を入れて狭いところを広げたり流れをよくしたりする内視鏡治療を積極的に行っています。

肝臓の癌に対して血管塞栓術(血管を通して抗がん剤を直接肝臓に注射したり、癌に通じる血管を閉塞させて癌細胞を死滅させる治療法)、ラジオ波による焼灼治療、抗癌剤による治療を積極的に行っています。

呼吸器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用
パス
K386 気管切開術 14 12.64 59.43 78.57 74.71
K6151 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(止血術) - 4.33 15.89 11.11 69.33
K0461 骨折観血的手術(肩甲骨、上腕、大腿) - 6.25 35.5 50 76
K654 内視鏡的消化管止血術 - 16 24 0 83
K0051 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2cm未満) - 14 7 0 74

※ 患者数が10人未満の項目は、- にて表記しています。

呼吸器内科入院中に他科に手術依頼した方の集計になります。

重症呼吸不全で人工呼吸による長期管理が必要な場合に、呼吸器外科へ気管切開術を依頼しております。
大量喀血の出現時、または予想される場合に、血管塞栓術を放射線科に依頼しております。
間質性肺炎の詳細な診断や気胸合併時の治療のために、胸腔鏡下手術を呼吸器外科に依頼する事があります。

循環器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用
パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 151 2.54 3.12 3.31 69.97
K5972 ペースメーカー移植術(経静脈電極) 24 6.04 10.08 20.83 79.08
K5491 経皮的冠動脈ステント留置術(急性心筋梗塞) 22 0 12.23 9.09 70.73
K597-2 ペースメーカー交換術 17 1.24 8.59 5.88 81.65
K5492 経皮的冠動脈ステント留置術(不安定狭心症) 16 0.19 7.75 0 73.75

循環器内科は、24時間365日急性心筋梗塞や狭心症といった虚血性心疾患に対する検査と治療を積極的に行っております。またその他にも不整脈や心不全、心臓以外の血管に対する検査や治療も幅広く行っています。

急性心筋梗塞や不整脈疾患で治療を行った場合、平均入院期間は約2週間です。また心筋梗塞以外の虚血性心疾患に対する治療を行った際の平均入院期間は約5日となっています。

整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用
パス
K0461 骨折観血的手術(肩甲骨、上腕、大腿) 103 3.82 19.46 69.9 77.83 1 2
K0462 骨折観血的手術(前腕、下腿、手舟状骨) 78 2.77 13.13 24.36 63.86
K0821 人工関節置換術(肩、股、膝) 74 1.86 22.59 36.49 74.2
K0483 骨内異物(挿入物を含む)除去術(前腕、下腿) 71 1.06 3.41 1.41 48.87
K1426 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(椎弓形成) 52 5 18.1 25 74.42

救命センターには多くの外傷患者が搬送されるため、関節や四肢の骨折を伴い、整形外科的治療を必要とすることが多々あります。中には開放骨折、小児の骨折など緊急手術が必要なこともあります。

それ以外の患者に対しても可及的早期に骨折の観血的整復固定術を行っております。小児救急の専門医がいるため、整形外科では小児骨折の治療も専門的に行っています。

股関節や膝関節の軟骨は年齢によりすり減ってきます。それを変形性関節症といいます。股関節であれば足の付根に痛みを起こし、膝関節であれば膝の痛みや水が溜まるといった症状を起こします。内服、関節注射、リハビリなどで治らない場合に、クリーンルームで人工関節手術、骨切り術などを行っております。

脊椎疾患及び外傷については、脊椎脊髄外科指導医が対応しています。

呼吸器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用
パス
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超える) 67 2.67 11.87 2.99 69.61
K5131 胸腔鏡下肺切除術(肺嚢胞手術(楔状部分切除)) 37 4.11 7.32 2.7 46.38
K514-21 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(部分切除) 25 3.8 10.44 0 74.72
K514-21 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(部分切除) 18 3.33 11.11 0 61.72
K6261 リンパ節摘出術(長径3cm未満) 15 1.8 3.93 0 68.47

呼吸器外科では、呼吸器外科領域の多くの疾患に対して積極的に胸腔鏡手術を行っています。

胸腔鏡手術は従来の開胸手術に比べて手術創が小さく肋骨切離も行わないため、痛みが少ないとされ身体への負担も軽減されることから低侵襲手術と呼ばれています。昨年、原発性肺癌の手術症例の85%以上を胸腔鏡手術で行っており良好な成績をおさめています。安全性にも気を配り手術関連死亡症例は全くありません。気胸や縦隔腫瘍に対する手術も胸腔鏡手術を行っています。

呼吸器外科学会専門医を4名有し、大学病院に遜色ない手術スタッフとスキルで安全な低侵襲手術を目指します。

外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用
パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 100 1.54 3.85 3 63.33
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) 42 0.71 4.31 2.38 45.6 1 2
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 33 1.55 4.15 0 68.94
K6335 鼠径ヘルニア手術 21 1.33 4.57 0 69.48
K655-22 腹腔鏡下胃切除術(悪性腫瘍手術) 20 1.35 11.5 0 68.8

外科では、胆嚢炎・胆のう結石、鼠径ヘルニア、急性虫垂炎などの良性疾患には腹腔鏡手術を積極的に行っています。胆嚢炎・胆のう結石に対する腹腔鏡下胆のう摘出術は手術前日に入院、ほとんどの方が術後2日目に退院となります。

鼠径ヘルニアに対しては腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術を第一選択の手術にしています。腹腔鏡下胆のう摘出術と同様、手術前日に入院、ほとんどの方が術後2日目に退院となります。急性虫垂炎に対する手術は多くが緊急症例で、虫垂周囲膿瘍を伴わない場合の腹腔鏡下虫垂切除術では術後早期の退院が可能です。

胃・大腸などの消化管の悪性腫瘍に対しても、腹腔鏡手術を可能な限り行うようにしています。腹腔鏡下胃切除術では手術前日に入院、ほとんどの方が術後7~10日で退院されます。

上記主要手術は全てパスで管理され、検査や周術期管理に漏れがなく、良質な医療が提供できるようにしています。

当院外科は外科専門医5名、消化器外科専門医2名、乳癌専門医1名、内視鏡外科技術認定医2名、肝胆膵外科高度技能指導・専門医2名が常勤しており、専門性の高い、安全な医療を提供できる体制が整っています。

脳血管内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用
パス
K178-4 経皮的脳血栓回収術 - 0 25 75 65.25
K386 気管切開術 - 24 30.25 75 78.25

※ 患者数が10人未満の項目は、- にて表記しています。

脳血管内科では、超急性期脳梗塞患者において、障害をできるだけ少なくするために閉塞血管を再開通させる治療(脳血栓回収術)を脳神経外科と協働して積極的に行っています。

脳卒中やその他の疾患によって呼吸障害が見られる場合には、必要に応じて気管切開術を他科と協働して行う場合もあります。

脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用
パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 28 1.68 14.86 35.71 78.18
K164-5 内視鏡下脳内血腫除去術 - 0.33 43.78 88.89 71.44
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術(その他) - 11.83 50.67 50 62
K1781 脳血管内手術(1箇所) - 0 36.5 0 48.5
K1642 頭蓋内血腫除去術(開頭)(硬膜下) - 0.6 51.2 60 68.8

※ 患者数が10人未満の項目は、- にて表記しています。

脳神経外科では地域の高齢者を診る機会が多いため、当科では慢性硬膜下血腫の治療機会が多い状況にあり、また地域の中核病院であるため脳腫瘍の手術機会も比較的多い状況にあります。

未破裂脳動脈瘤や頸動脈狭窄症に対する低侵襲的な脳血管内手術による予防手術も積極的に導入しており、早期の社会・家庭復帰を目指した治療も行っています。

腎臓内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用
パス
K610-3 内シャント又は外シャント設置術 32 11.34 18.66 9.38 72.59
K616-4 経皮的シャント拡張術・血栓除去術 16 1.06 4.81 12.5 71.81
K607-3 上腕動脈表在化法 - 20 21 0 73.33
K608-3 内シャント血栓除去術 - 0 5.67 0 64.67
K6072 血管結紮術(その他) - 0.5 77 50 67.5

※ 患者数が10人未満の項目は、- にて表記しています。

腎臓内科では、腎臓病が進行し腎代替療法が必要な状態となれば、適切な時期に血液透析・腹膜透析・腎移植について説明を行っています。事前に治療方針が決定した方には、入院期間の短縮や感染症の予防のためにシャントの作成やカテーテル挿入などの予めの手術を提案しています。

腎移植を希望され移植が可能と思われる方には移植可能な施設への紹介を行っています。治療方針は、患者さんが希望されて十分納得されたうえで決定することを心掛けています。

皮膚科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用
パス
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術(単純切除) 36 0.28 1.83 5.56 82.67
K0051 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2cm未満) 22 0.27 1.5 0 57.32
K0061 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径3cm未満) 16 0.06 1.31 0 64.69
K0052 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2cm以上4cm未満) 14 0 1 0 64.64
K0062 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径3cm以上6cm未満) - 0 1 0 53.71

※ 患者数が10人未満の項目は、- にて表記しています。

高齢者の短期入院手術を実施しています。高齢化社会を背景に、皮膚癌患者も多く、患者と家族のQOLや負担軽減に配慮した手術を実施しています。

低浸襲、完全切除、入院期間短縮によるADL低下の予防、術後整容性の確保を治療目標とし、原則として、局所麻酔で、抗凝固剤は内服継続のまま手術しています。また、良性腫瘍の切除、病理検査も積極的に行っております。

血管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用
パス
K617-4 下肢静脈瘤血管内焼灼術 39 0.05 1.05 0 67.9
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 16 1.5 6.75 6.25 75.63
K5612ロ ステントグラフト内挿術(1以外の場合)(腹部大動脈) - 3.56 7.56 11.11 76.56
K5606 大動脈瘤切除術(腹部大動脈(分枝血管の再建を伴うもの)) - 2.83 16.67 16.67 76.83
K0841 四肢切断術(上腕、前腕、手、大腿、下腿、足) - 3.5 17 50 85.25

※ 患者数が10人未満の項目は、- にて表記しています。

下肢静脈瘤に対しては1泊2日でレーザー治療を行っています。最新のレーザー機器を用いていますので疼痛や皮下出血が少なくなっています。

下肢閉塞性動脈硬化症に対しては患者の状態に応じて、血管内治療(血管拡張術、ステント留置術)とバイパス手術を行っています。

腹部大動脈瘤に対しては患者の状態に応じて、血管内治療(ステントグラフト内挿術)と開腹手術を行っています。例年は70-80%の患者にステントグラフト内挿術を行っています。

婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用
パス
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡) 31 1.16 5.35 0 40.16
K877 子宮全摘術 23 1.57 9.22 0 46.83
K872-3 子宮鏡下有茎粘膜下筋腫切出術、子宮内膜ポリープ切除術 17 0.94 1.06 0 40.18 1 2
K873 子宮鏡下子宮筋腫摘出術 13 1.15 1.08 0 42.85 1 2
K8721 子宮筋腫摘出(核出)術(腹式) 10 1 9.1 0 39.2

婦人科では、思春期、性成熟期、周閉経期のホルモン変動によるトラブルを中心に診療しています。できるだけ普段通りの生活をしながら治療を続けて頂くために、可能な限り外来での治療、身体への負担が少ない手術を選択しています。

最も力を入れているのは不妊治療であり、ご夫婦の希望や生活スタイルに合わせて、タイミング指導から配偶者間人工授精、体外受精、顕微授精、胚凍結まで行っています。不妊の原因検索のため、一般不妊検査のみならず子宮鏡や腹腔鏡を用いた特殊検査まで行うことが可能です。

不妊の原因となりうる子宮筋腫や子宮内膜症、卵巣腫瘍に対しては、妊娠への影響を最小限にするために腹腔鏡手術を積極的に実施しています。なお着床の妨げとなる子宮内膜ポリープに対して子宮鏡手術を選択することにより、正常な内膜の損傷を可能な限り軽減させています。

将来の挙児希望に備えて月経困難や子宮内膜症をコントロールすることは大切であり、早い段階での婦人科受診をお勧めしています。

その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード

DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - 0.00
異なる 36 0.36
180010 敗血症 同一 11 0.11
異なる 27 0.27
180035 その他の真菌症 同一 - 0.00
異なる - 0.04
180040 手術・術後合併症 同一 48 0.48
異なる - 0.06

播種性血管内凝固症候群(DIC)は、さまざまな重症の基礎疾患(がんや敗血症、外傷など)のために過剰な血液凝固反応活性化が生じ、全身の臓器不全、出血傾向のみられる予後不良の病気です。

敗血症は、肺炎や尿路感染、外傷などの感染部位から血液中に病原体が入り、重篤な全身症状を引き起こす症候群です。基礎に悪性腫瘍、血液疾患、糖尿病、膠原病(こうげんびょう)がある場合、あるいは高齢者、手術後の状態が多くあります。

当院は、DICや敗血症を生じる重篤な疾病にも対応しています。

 

更新履歴

2020/09/30
DPCデータに基づく『令和元年度 病院指標』ページを公開しました。

 

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