福岡県の“がん拠点病院”とその役割

福岡県では、県民の皆さんが質の高いがん医療を受けることができるように、その拠点となる医療機関として、2020年4月1日現在、国指定の都道府県がん診療連携拠点病院 2か所、地域がん診療連携拠点病院 17か所、国指定の地域がん診療病院 2か所、福岡県指定がん診療拠点病院 1か所を整備しています。

がん拠点病院の主な役割

  • • がん患者様の状態に応じた適切な治療の提供
  • • 手術療法、放射線治療、化学療法の提供体制
  • • 緩和ケアの提供体制
  • • 他の病院及び診療所との連携協力体制
  • • セカンドオピニオンの提供体制
  • • 専門的な知識及び技能を有する医師及び医師以外の医療従事者の配置
  • • 専門的ながん医療を提供するための治療機器等の設置
  • • 医療従事者を対象とした研修の実施
  • • がん相談支援センターの設置
  • • 院内がん登録の実施
  • • 臨床研究・治験の実施
  • • PDCAサイクルの実施

 
外観

1. 都道府県がん診療連携拠点病院 (2か所) [国指定]

都道府県内で中心的役割を果たすよう、厚生労働大臣が指定した病院です。がん専門医療従事者に対する研修や、地域拠点病院間の連携・調整を図り、県全体のがん対策に係る取組みを牽引していく役割を担っています。

2. 地域がん診療連携拠点病院 (17か所) [国指定]

地域内で中心的役割を果たすよう、厚生労働大臣が指定した病院です。専門的ながん医療の提供等に努めながら、がん医療に関する相談支援及び情報提供並びに地域の医療機関への支援、地域連携の推進等に取り組むことが求められています。

3. 地域がん診療病院 (2か所) [国指定]

隣接する地域のがん診療連携拠点病院のグループとして指定され、がん診療連携拠点病院の無い地域に1か所整備されます。拠点病院と連携しつつ、専門的ながん医療の提供、相談支援や情報提供などの役割を担っています。

4. 福岡県指定がん診療連携拠点病院 (1か所)

よりきめ細やかながん医療体制の整備を目的に福岡県知事が指定したがん拠点病院で、専門的ながん医療の提供等に努めながら、がん医療に関する相談支援、情報提供、地域の医療機関への支援、地域連携の推進等に取り組むことが求められています。

福岡県がん診療連携拠点病院一覧

当院は、地域がん診療連携拠点病院です。拠点病院は、福岡県内を4つのブロックにわけて、2次医療圏のがん診療の拠点として整備されています。

福岡ブロック

福岡・糸島医療圏
九州大学病院・九州がんセンター(県拠点)・九州医療センター・福岡大学病院・済生会福岡総合病院・浜の町病院・九州中央病院・原三信病院
粕屋医療圏
福岡東医療センター
筑紫医療圏
福岡大学筑紫病院

北九州ブロック

北九州医療圏
北九州市医療センター・産業医科大学病院・JCHO九州病院・戸畑共立病院・九州労災病院

筑後ブロック

久留米医療圏
久留米大学病院・聖マリア病院
八女筑後医療圏
公立八女総合病院
有明医療圏
大牟田市立病院
朝倉医療圏
朝倉医師会病院

筑豊ブロック

飯塚医療圏
飯塚病院
田川医療圏
社会保険田川病院

福岡県では、都道府県がん診療連携拠点病院である九州がんセンターと九州大学病院を中心に、上記22か所の各拠点病院から代表者が集まり、情報共有等を行う「がん診療連携協議会」を開催しています。詳しい取り組み内容は以下をご覧ください。

九州がんセンターホームページへ

 

“地域がん診療連携拠点病院”としての福岡東医療センター

PDCAサイクルの実施

当院では、毎月1回がん診療連携拠点病院運営委員会を開催し、下記1~5の内容のがん診療に関する様々な課題について把握・評価し、改善を行っています。

  • • がんの医療相談に関すること
  • • がんの医療連携に関すること
  • • がんの情報発信・情報提供に関すること
  • • がん患者の医療支援に関すること
  • • がんの診療機能や診療実績、地域連携に関する実績や活動状況の他、がん患者の療養生活の質について把握・評価・改善に関すること

PDCAサイクルの実施体制

がん診療体制

当院では、各診療科の専門スタッフが対応しています。詳しくは、以下のがん種別診療内容一覧をご覧ください。

がん種別診療内容一覧

緩和ケア外来

当院では、2009年9月から緩和ケア外来を開設しています。当院に通院中の患者様だけではなく、他院に通院中の患者様も受診していただけます。

がん患者様・ご家族様を主治医や他の医療関係者とともにサポートしていきます。

ケア

対象となる患者様

  • ▸ 積極的治療を行っているか否かに関わらず、痛みなどの身体症状を緩和したいが、コントロールが困難な患者様
  • ▸ 基礎疾患があり、身体・精神症状の緩和に使用する薬剤について注意が必要な患者様
  • ▸ 身体症状のコントロールはできているが、精神症状に対する治療・ケアが必要な患者様
  • ▸ 将来的に緩和ケアについて知っておきたいと考えられている患者様など
診療体制
身体担当医の診察後に、必要に応じて他の医療スタッフが対応します。
診 療 日
毎週火曜・木曜 9:00~12:00 完全予約制
電 話
(代)092-943-2331 (内線)8184
スタッフ

緩和ケアチーム

がん診療連携拠点病院には、緩和ケアチームを設置することが義務付けられています。当院の緩和ケアチームは、2007年2月からチーム回診を始めました。

チームメンバー

▸身体症状担当医

身体の苦痛症状の緩和を担当

▸精神症状担当医

心のケアを担当

▸看護師

心のケアや日常生活上のご相談など

▸薬剤師

適切な薬物療法のお手伝い

▸リハビリテーション

リラクゼーションや日常生活動作の維持向上など

主治医・病棟看護師と緩和ケアチームが連携して、患者様の症状緩和に努めます。


主な対応としては

  • ○ 痛みを中心とした身体症状への対応
  • ○ 不安や不眠などの気持ちのつらさなどへの対応
  • ○ ご家族の不安など気持ちのつらさへの対応

などですが、その他にもいろいろ遠慮なく、ご相談ください。

チーム回診

毎週月曜・金曜 11:00~12:00

回診日以外は、必要に応じて緩和ケアチームの看護師がお伺いします。私たち職員は、患者様やご家族の皆様ができる限りこれまでと同じような生活が送れるよう、お手伝いします。

チーム

チームカンファレンス

毎週水曜日 13:30~14:30

チームで介入している患者様やご家族について、適切なケアが行われているか情報共有やケアの検討を行っています。

チーム

緩和ケア研修会

緩和ケアについては、国のがん対策推進基本計画(平成30年3月)において、がんその他の特定の疾病(以下「がん等」という。)の診療に携わる全ての医療従事者が緩和ケアについての基本的な知識を習得し、がん等と診断された時から適切に緩和ケアが提供されるようにすることを目的とし、「がん診療に携わる全ての医療従事者が、精神心理的・社会的苦痛にも対応できるよう、基本的な緩和ケアを実施できる体制を構築する」ことが目標とされています。

当院では、国の指針に基づいた緩和ケア研修会を年1回開催し1人でも多くの医師が受講できるよう取り組んでいます。

当院では、

  • • 2009年度 …… 院内医師を対象に研修会を開催
  • • 2010年度~… 地域でがん診療に関わるすべての医師を対象として開催
緩和ケア

この研修会の特徴は一方向性の座学形式ではなく、所定の指導者研修を修了した研修会協力者の指導の下に、日本緩和医療学会が作成したプログラムに沿ってワークショップやロールプレイング等を行います。

厚生労働省が実施主体の「e-learning」と、がん診療連携拠点病院等が実施主体の「集合研修」で構成され、双方の修了をもって緩和ケア研修会の修了となります。

当院の緩和ケア研修会に関する詳しい日程等は、ホームページの最新情報に掲載いたします。

最新情報へ

研修の様子 (1)

研修の様子 (2)

研修の様子 (3)

研修会の様子

国が策定するがん対策推進基本計画では、がん患者の療養生活の維持向上のために、疼痛等の緩和を目的とする医療が早期から適切に行われるようにすることとともに、居宅において、がん患者に対し、がん医療を提供するための連携協力体制を確保することが求められています。

そのために最終的には医療圏の中で緩和ケアを含めたがん診療のネットワーク体制を構築する必要があると思われます。そうした面からも当院で行う緩和ケア研修会に、地域の診療所・病院の先生方にご参加いただくことは顔の見える連携作りの第一歩になるものを考えています。

緩和ケア研修会の受講修了者一覧をご覧いただけます。

緩和ケア研修会修了者一覧

がん相談支援センター

がん相談支援センター

全国すべてのがん診療連携拠点病院に設置されており、がんについて治療のこと、今後の療養生活のことなど、がんにかかわる質問や相談にがん専門相談員としての研修を受けたスタッフが対応しています。

どなたでも利用できます。

がん相談支援センターリーフレット

業務内容

  • • がんの病態、標準的治療法等がん診療及びがんの予防・早期発見等に関する一般的な情報の提供
  • • 診療機能、入院・外来の待ち時間及び診療従事者の専門とする分野・経歴など、地域の医療機関及び診療従事者に関する情報の収集、提供
  • • セカンドオピニオンの提示が可能な医師の紹介

セカンドオピニオン実施医療機関一覧

  • • がん患者の療養上の相談
  • • 就労に関する相談(産業保健等の分野との効果的な連携による提供が望ましい。)
  • • 地域の医療機関及び診療従事者等におけるがん医療の連携協力体制の事例に関する情報の収集、提供
  • • アスベストによる肺がん及び中皮腫に関する医療相談
  • • HTLV-1関連疾患であるATLに関する医療相談
  • • 医療関係者と患者会等が共同で運営するサポートグループ活動や患者サロンの定期開催等の患者活動に対する支援
  • • 相談支援センターの広報・周知活動
  • • 相談支援に携わる者に対する教育と支援サービス向上に向けた取り組み
  • • その他相談支援に関すること

よくあるご相談

 抗がん剤の治療費が高いと聞きますが、何か使える制度はありますか?

高額療養費制度が利用できます。年齢や所得によって、ひと月に負担する限度額が決まっています。詳しくご説明いたしますので、一度ご相談ください。

 がんと言われてショックを受けました。色々考えると不安で眠れません。

 治療のことや家庭のこと、仕事のこと、治療費のことなど様々な不安があると思います。一度お話を聞かせてください。ひとつひとつどうしていくか一緒に考えます。同じ体験をされた患者さん同士で語り合う場、患者サロンがあります。

介護や医療が必要だけど、自宅で過ごしたい。

 介護保険の介護サービスや訪問診療、訪問看護、訪問薬剤などを利用して自宅で生活されている患者様もいます。クリニックのご紹介や介護保険制度のご説明などできますので、ご相談ください。

緩和ケア病棟(ホスピス)とは、どんなところですか?どこに病院がありますか?

 緩和ケアは、身体のつらさ、気持ちのつらさ、生活上のつらさを抱えた患者・家族を総合的に支えていく医療のことです。専門病院のご紹介ができます。また、必要に応じて、緩和ケア認定看護師から話を聞くこともできます。

抗がん剤の副作用で脱毛した場合のケア帽子やウィッグの話を聞きたい。

 ケア帽子やウィッグのパンフレットを準備しています。展示もしていますので、個室で試着することも可能です。お気軽にご相談ください。

化学療法に関するよくあるご相談はこちら

当院のがん相談支援センターについて

がん相談支援センター

がん相談支援センター

病気や症状、食事、リハビリについてなど、お持ち帰りいただけるパンフレットも準備しています。(一部持ち出し禁止のものもありますが、貸出可能ですのでご相談ください)

相談内容によっては、専門職種(医師、緩和ケア認定看護師、化学療法認定看護師、リハビリ、栄養、医事など)と協力して継続支援を行います。


  • 【相 談 日】 月~金曜(祝日を除く)
  • 【受付時間】 9:00~16:30
  • 【相談方法】 面談・電話相談
  • 【費  用】 無料

0120-212-454(直通)
※ 秘密厳守いたします

 

がん患者・家族サロン「ひまわりサロン」

定期的にひまわりサロンを開催しています。お互いの気持ちや経験を話すことで、気持ちが楽になることがあります。当院におかかりでない方も参加できます。一度参加してみませんか?

よくあるご相談

 患者サロンに参加された方の感想が聞きたいです。

 サロン参加者の感想をご紹介します。

  • • ずっと家に閉じこもってた。サロンに参加すると心が休まる。また参加したい。
  • • みなさんが元気に生活されている様子が見られてよかった(家族)
  • • ここに来てよかった。友達ができたから。
  • • 色々深く考えても仕方がないなと思えるようになった。
ひまわり
 サロンはどんな雰囲気ですか?

 お茶を飲みながら自由にお話しています。毎回5~7名くらい参加されています。サロンでは患者さん同士のお話とミニ勉強会をしています。患者さま・ご家族以外にがん相談支援センターの相談員やミニ勉強会に合わせたスタッフ(医師・看護師・栄養士・リハビリスタッフなど)も参加していますので、お気軽にお尋ね下さい。

 何か話さないといけませんか?

 自分のことを話さなくても大丈夫です。お気軽にお越しください。ひまわりサロンでの約束ごと6カ条をご覧ください。

  1. 1. 話されたことはここに置いて帰り、参加者の名前や住所、電話番号、病気の内容、家族の状況、経済的なことは他の場所で話したり、ブログやツイッターなどインターネットに書き込んだりしません。
  2. 2. 他の人が受けている治療は自分に合うとは限りません。
    治療のことは医師に相談しましょう。
  3. 3. 健康食品や健康器具などの物品を勧めたり、販売することはしません。
  4. 4. 宗教団体への勧誘はしません。
  5. 5. アドバイスや励ましをされると負担になることがあります。
    お互い聞き上手になりましょう。
  6. 6. 参加された方が平等に話せるよう、お互い気をくばりましょう。
    話さないことも自由です。
 ミニ勉強会の予定を教えてください。

 こちらをご覧ください。今後の予定も確定次第、ホームページに掲載予定です。

がん登録

院内がん登録は、病院で診断されたり、治療されたりした全ての患者様のがんについての情報を診療科を問わず病院全体で集め、その病院のがん診療がどのように行われているかを明らかにする調査です。

  • • 患者様に医療成績を提供することができます。
  • • 紹介元に病院の実績と能力を伝えることができます。
  • • がん診療病院として、患者や地域のニーズに応えていないところと、さらに充実すべきところ、宣伝が足りないところを発見することができます。
  • • 何人の患者様がどのような病態で、どのようにして受診し、どのような医療を受け、どうなったのかを知ることができます。
  • • がん医療の均てん化に関する基礎資料が得られ、患者様にその結果を還元できます。
  • • 院内がん登録で蓄積した情報を地域がん登録に報告することにより、地域でのがんの発生数を部位別、病期別、年齢別、地区別に把握でき、地域におけるがん対策の立案や評価に利用され、地域住民に利益が還元されます。

がん登録図

がん登録が整備されれば、がん対策が推進され、さらに質の高いがん医療を提供することができます。当院のがん診療実績(2012年症例)をご覧いただけます。

がん診療実績(2012年症例)